隷堕の黒剣士5話【終】

隷堕の黒剣士5話【終】

「――――お兄ちゃん……最近なんか、変だよ……?」
 朝の食卓。親が既に一足早く仕事で出払い、桐ヶ谷和人と彼の妹の直葉と二人だけの食卓。
 彼女はここ最近感じていた兄への違和感を兄の和人張本人に打ち明けることにした。
「そうか? 別にそんな気にすることないだろ」
「だって、急にあたしに肌のお手入れの仕方とか聞いてくるし、髪だって伸ばしっぱなしで……なんか女の子みたいだし……切らないの?」
「……好きで伸ばしてんだから別に良いだろ」
 彼女の抱く兄への違和感。
 それはある日を境に始まった。
 突如妹の部屋を訪ねるや、彼は肌の手入れの仕方を聞いてきた。
 無論、あまりの唐突な質問に若干戸惑いながらも真剣に向かってくる彼圧され、彼女は簡単な手入れから手の込んだもの、必要な品々などを可能な範囲で彼に指南した。
 しかし結局それが何のために必要だったのか彼は最後まで明かさなかった。
 その後も、彼は普段なら伸びた髪を切りに入く頃合いになっても一向に散髪に行かず、差し障りのある箇所だけ自分で切って今現在は肩を少し越えるほどにまで伸びている。
 その姿は、少女に見間違えてしまうことも何ら不思議な話ではなくなっていた。
「それになんか素っ気ないし…………まだ調査って終わらないの? ……GGOの」
「…………」
 キリトは黙々と朝食を運んでいた手を止めた。
 しかしそれも一瞬で、すぐに止めていた手を動かし始めて、マーガリンを塗ったトーストを頬張った。
「んぐ……そうだな。当面は調査が長引きそうで、まだしばらくはGGOにいるよ」
「早く、ALOに戻ってきてよね……? アスナさんやユイちゃん、それに他のみんなも……あたしも、待ってるから……」
 彼がGGOにログインし初めてから随分経つ。
 その間直葉たちはずっと彼のALOへの復帰を待っている。
 彼がGGOでどんな調査をしているのかは秘匿扱いされているため、調査内容や進捗は一切知ることが出来ない。
 いつ終わるのかもわからない調査が予想していたよりも長引いているのに彼女は内心不安も覚えてきていた。
 これまで彼は調査に関して愚痴はおろか泣き言ひとつ言っていない。
 ただ黙々とGGOへログインし、現実では最低限の衣食住の時にしかほとんど彼女の前に顔を出さない。
 それが日に日に続いていくに連れて彼女の中の不安は募るばかりだった。
「……ごめん。まだ調査が終わりそうにないから、アスナやみんなにはしばらく会えそうにないってスグから伝えておいてくれ。じゃ、俺まだ調査があるから――――ごちそうさま」
「ちょっ! ちょっと待ってよ! お兄ちゃ――――」
 今日もまた、彼は何も明かさずに食卓を去って自室に戻っていった。
 そして一人残された直葉の抱く不安は未だ消え去る様子はない――――

 ※ 


 ――――言うまでもないが、キリトが当初調査を依頼されていたデスガンに関する調査はとっくの昔に凍結されている。
 それはデスガンそのものが姿を消したためだ。
 八方手を尽くしたものの、足跡一つ見つけられず、目撃された二件の症例は同時刻に死亡した二名の被害者と関連づける証拠が見つけられず、結果事故死として処理された。
 その後もデスガン事件は情報も証拠も不十分で以降関連性のある事件も発生しないことから未完のまま調査は終了し、終幕を迎えた。
 キリトの役目はとうに終わっており、本来であれば彼はALOに戻ってリーファやアスナたちと再会する――――はずだった。
 しかし彼は今もなおGGOにログインしている。
 妹の直葉――――リーファに嘘を付いてまで――――

『みんなぁ~♪ 観てる~? キリトだよ! 今日は特別にみんなのためにわたしの恥ずかしいとこ、生放送でいっぱいみせちゃうよぉ~♪』

 うおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおッッッッ!!!!!!!!

 会場は男たちの雄叫びが響き渡った。
 その日は鬼城が計画していたイベントが開催される日だった。
 モニターに映るキリトを前に群がる男たち。
 それは、生放送でのキリトの公開オナニーショーだった。
 キリトを自身の手中に収めた鬼城だが、キリトを心棒するユーザーは数多い。
 それが強さからの憧れだろうと牝としての性的なものだろうとどうあれ、彼らはキリトの存在を望んでいる。
 鬼城はそれを利用し、己のコネクションやスポンサーを開拓する目的でこのイベントを画策したのだ。
 そして、キリトもそれを承知した上で放送を受け入れている――――

 Q.まずは自己紹介をお願いします。

『キリトっていいます♪ みんなと同じGGOのプレイヤーです♪ 最近だとGGO専門の雑誌の表紙モデルとかやらせてもらってます♪ 外見は女の子に見えますけど、本当は男なんです……//// あ、あと一応現実(リアル)で彼女もいます!』

 Q今日のことは彼女も知ってる?

『もちろん内緒に決まってますよー。流石にこんなこと言えませんよー♪ こことリアルのわたしは、別物なんです♪』

 Q.今のお気持ちは?

『えーっと、すごく緊張しています。でも、みんなのために精一杯がんばります!』

 Q.初体験は?

『……現実ではまだなんですけど、ここ(GGO)では三ヶ月前ほどです。まだ男だったわたしを、ご主人さまがいっぱい躾てくれました♪』

 Q.好きなモノは?

『好きなモノはぁ…………ご主人さまの、おち○ちんです……//// わたしの初めてをもらって、『女』にしてくれた大好きなおち○ちんなんです!』

 Q.性感帯は?

『ちょっと恥ずかしいんですけど……ち、乳首が、一番……感じます……//// 指でクリクリってイジメられたり、赤ちゃんみたいに吸われちゃうだけでその…………イッちゃいます……////』

 Q.大好きなご主人さまにしてあげたいことは?

『いま流行り? なのかわからないんですけど、搾乳手コキとかしてあげたいです。いつもご主人さまに気持ち良くしてもらってるので、わたしからも気持ち良くしてあげたいって、思うんです♪ あ、でもおっぱい吸われちゃうと、わたしのほうが先にイッちゃいそうでちょっと心配です……////』

 Q.最後に何かひとこと

『この放送を観て、おち○ちんいっぱいシコシコしてね♪』

 おおおおおおおおおおおおおおおおおッッ!!!!

 愛嬌たっぷりの仕草でアピールするキリトに視聴する男たちは興奮を高鳴らせるばかりだ。
 特に普段表でアイドルのように愛想良く振る舞うキリトがそのまま淫猥な言葉を発することにギャップを感じることを男たちは至極好んでいた。

『それじゃあまずは……』

 ズボンに手をかけてスルスルと下へ下ろしていく。
 徐々に見え始める肌色に男たちは目を見開き、注視する。 

 Q.キリトちゃん紐パンなんだ

『これですか? えへへ♪ これ、ご主人さまがよく似合っていて可愛い褒めてくれたんです♪ なんか、他のゲームのヒロインの下着がモデルらしいんです』

 Tバックになっている黒い下着に注目するカメラにサービスと言わんばかりにキリトはクルリと後ろに向いて尻を突き出した。

 うおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおッッ!!!!

 普段表の姿しか見ることの出来ない男たちは表ではまず見れないキリトの淫靡な姿に気が高ぶり、性を鼓舞する。

『えへへ♪ じゃあ次はおっぱいだね♪』

 そう言ってキリトは胸に装着していた防具を外し、中のインナーに手をかける。
 あまりすぐにはめくらず、焦らすようにしてあと数センチのギリギリのところで寸止めするなどして、男たちの想像を高鳴らせる。
 あと少し、あと少しというところでやはりまた寸前で手を止める。
 その度に男たちがあー……と落胆する声が所々で聞こえてくる。
 しかしながら苛立つ者は一人もなく、落胆している男たちもなんだかんだこの状況を楽しんでいた。

『えへへ……いっぱい焦らして、ごめんね……? 今度はちゃんと、わたしのおっぱい……いっぱい見てね♪』

 おおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおッッ!!!!

 正にこの時を待ち望んでいたとばかりに男たちが声を上げる。
 スルスルとインナーがめくり上げられ、それまでそれより上へ上がらなかった絶対領域を突破し、淡いピンク色にそまる小さな二つの突起が顔を覗かせた。

『乳首で、いっぱい感じてるとこ……見てね?』

 少し恥ずかしそうに微笑みながら胸に手を伸ばす。

『ん……っはぁぁ////』

 そっと指の腹を突起の先端に触れさせる。
 そして指で小さな円を描くように先端の乳首をクリクリと弄る。

『っ、はぁ、はぁ……乳首クリクリするの、気持ちぃよぉ……ねぇ、わかる? 感じ過ぎちゃって、おっぱいも乳首もこんなにピンと張っちゃってるの……わたし、本当は男の子なのに…………こんなにエッチでいやらしい身体になっちゃって……んっ…………』

 頬を桜色に染めながら両指を使って乳首を摘み、弄ぶ。
 こそばゆい快感が身体中を走り、熱を帯びた吐息が漏れ出し、度重なる愛撫ですっかり火照ってしまった身体を持て余していた。

『っ、はぁ、はぁ……そろそろ、欲しい、な……』

 するとキリトは先ほど脱いだズボンに手を伸ばし、そのベルトに付いていたある物を手に取った。

『これ。知ってますか? はい♪ わたしがいつも戦闘で愛用している光剣、カゲミツです♪』

 ざわざわ……

 男たちはどよめいた。
 彼と共に戦った者、彼に戦いを挑んで敗れたもの、その一部始終を目撃していた者、彼ら全ては彼の持つ光の刃を放つあの柄を必ず目にしている。
 それがこGGOの世界で駆け抜ける黒い剣士ことキリトの象徴であるから。

『こんなこと……剣士としては失格かもしれないけど、今からぁ、このカゲミツを使って…………うぅ、これを見られるのはちょっと恥ずかしいなぁ……』

 頬を染めながら恥じらうキリト。
 クチクチと小さな水気のある音を立てながら愛用しているカゲミツの柄を己の穴へと押し当てる。

『んっ……//// はっ、ぁぁ…………んくっ!』

 おおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおッッッッ!!!!!!!!

 放送を視聴している男たちは一斉に声を上げる。

『っ、はぁぁ……じゃ、じゃあ…………入れます……ね?』

 ――――――――っっ!!

 画面に映るキリトの姿に男たちは固唾を飲んだ。
 己の欲望を高ぶらせながら――――

 っ、つぷ……くちゅ……

『はっ……あ、っ……んっ、ぁ……っくぅぅ……ぁ、はああああああああああああッ!!!!』

 苦痛とは異なった『色』のある悲鳴が画面から響き渡る。
 彼にとっての『牝』である部分となった穴は、光剣カゲミツの柄を咥え込む。最初は入り口の辺りをくちゅくちゅと弄り回し、金属の冷たさが残る柄の先端が人肌程度に慣れてきたら牝の部分へとゆっくり押し込んでいく。異物が入って来ることに身体を震わせたキリトだが、ひとたび中へと挿入った柄はそのままズブズブと一気に奥の方へと沈み込んでいった。
 キリトの剣士としての象徴もこうして少し使い道を外せば、たちまち己の性の悦びを満たす道具に成り下がった。

『んはぁッ! あっ……くふ、んっ……あぁッ! んああぁッ!』

(あ、ああああぁぁ……わたし、こんなことに光剣を使って…………変態だぁ……)

 罪悪感のような戸惑いがありながらも内心ではそれが興奮するためのスパイスになっていることも理解した上でキリトは自らを被虐する。
 性への欲求は今や止まるところを知らず、そのためなら過去の自分、剣士としての心得や誇りも非道く安っぽいものに見えてしまい、簡単に捨てることが出来てしまう。

『しゅごいよぉッ! おち○んぽシゴきながらお尻ジュポジュポってぇ……気持ち良しゅぎるよおおぉぉっ!!』

 前は自信の欲望、後ろは剣士としての魂。
 手を使ってそれらを同じタイミングに合わせて上下のピストン運動を繰り返す。

『もう、もうダメっ! イク! イッちゃう!! お尻とおち○ぽで……イッちゃうよぉッ!!』

 おっ、おっ、おっ、おっ…………おおおおおおおおおおッ!!

『みんなッ! キリトのイクところっ……ちゃんと見てね!? イキ顔とっ……おち○ちんピュッピュッしちゃうところが、一番のっ……見どころだよっ!』

 おおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおッッッッ!!!!!!

『あッ! あッ! ……っあああああああああああああああああああああああああああああああああああああッッッッ!!!!!!』

 ズビュッ! ビュリュッ、ビュクビュクッ! ビュルルルルッ!! ドビュッ……

 大勢の視聴者が注目する中、キリトは惜しむことなく精を盛大に吐き散らし、盛大に絶頂した。
 そして最後の一滴まで吐き切ると、糸の切れた人形のようにぱたりと床に崩れ果てた。

 Q.気持ち良かった?

『うん……//// でもぉ、やっぱりご主人さまのおち○ぽがいいよぉ…………ご主人しゃまのおち○ぽお尻にジュポジュポってぇ……あぁ……想像したらホントに欲しくなってきちゃったぁ……放送終わったら、ご主人しゃまにいっぱいシてもらおっかなぁ……♪』

 Q.最後に、リアル(現実)の彼女に何かひとこと

『え? ん~っとぉ……アスナぁ~、みてる~? キリトはぁ、みんなの前でイッたよぉ……えらい? えらいよね? えへへ♪ それと、ごめんね……アスナのことは今も好きだけどぉ、わたしね……今はご主人さまのことがアスナよりも好きになっちゃったの。毎日ご主人さまに可愛がってもらって、ここの男の人たちともいっぱい気持ちいいことしてるのが幸せなの♪ だからぁ、もうアスナとは一緒にいられないの……でも心配しないで。ここの人たちやご主人さまに可愛がってもらって、いっぱい幸せになるから! アスナも元気でね! バイバイ♪』

 こうして放送は大盛況で幕を閉じたのだった――――

 ※


「…………随分、悪趣味なことをさせてるのね」
 部屋のモニターで事の一部始終を観たシノンは怪訝そうに顔を歪めた。
 以前の彼からは想像できない様を目の当たりにするも彼女は動揺しない。
 何しろ彼女があの強く凛々しかった黒い剣士を牝の快楽に耽る堕剣士に堕とすきっかけを作った張本人なのだから。
「なに、これも余興の一つだ。同業連中が活気付くし、キリトの牝としての教育にも丁度いい……」
「っ!」
 黒い革張りのソファーにふんぞり返る鬼城は、隣に立つシノンへと手を伸ばし、馴れ馴れしく彼女の尻を撫で回した。
 ニヤニヤと笑みをこぼしながら自分の尻を当たり前のように触る鬼城を、シノンは屈辱的と感じながらも拒絶しようとしなかった。
「……あんたって、ほんと最低……昔と全然変わってない」
「お前は昔よりちょっとだけ成長したみたいだなシノン。『ちょっと』だけ、だがな……っくっくっく」
「っ……その上からの言い方、ムカつく」
「俺はお前より強いからな。つべこべ言わず、手も口もサボってんじゃねぇぞ」
「っ……わかってるわよ――――――――んっ、ちゅぷ……」
 ソファーに座ったままの鬼城の前に膝を突くシノンは既に抜き身の刀の如き反り勃つ彼の肉の棒に手を掛け、先端に口を付ける。
「んっ……っちゅぷ、にちゅ……じゅる、じゅるるっ……」
「っくっくっく。絶景かな絶景かな……ってか? お前が戻ってきたことは喜ばしいことだぞシノン。っくっくっくっくっくっく……」
「じゅぷっ…………っ、……勘違いしないで。これはあんたからの借りを返しているだけよ。あいつ(キリト)を誘い込んだのも、こうやってあんたの粗末なモノの相手をしてるのも全部」
「そうかよ。ま、俺としては今や狙撃でGGOに名を馳せるシノン様が、こうして俺の前に跪いてチ○ポしゃぶってる様を拝めるだけで楽しめてるけどな」
「くっ!」
「っくっく、そんな怖い顔すんなよ。せっかくの可愛い顔が台無しだぞ?」
「……今すぐコレを噛み切ってやりたい」
「さっさと借りを返したきゃ、喋る口より奉仕する口を動かすんだな」
「っ…………んぁっ……ちゅ、ちゅぷ……」
 何か言いたそうにしながらも再びシノンは鬼城の肉棒に舌を伸ばした。
 不本意ながらも奉仕しているシノンの悔しげな表情は鬼城にとって楽しいことこの上ない享楽であった。
 そんな鬼城を他所にシノンは舌で入念に亀頭を舐めまわし、竿から付け根まで舌を這わせると先端から口いっぱいに鬼城の肉棒頬張る。
 少女にしては大男の肉棒相手にその動きにはどこか手慣れているような手際の良い手つきをしているシノンに鬼城は驚く様子もなく、ただニヤニヤと笑みを漏らしてその様子を眺めている。
「しかし、キリトはよくやってくれているよ。お前が抜けた部分をちゃんと穴埋めできている」
「…………だから、何?」
「……お前が一番荒れてた時に支えてやってたのは『元彼』の俺なんだがなぁシノン?」
「うるさい……」
「けどなぁ、今に至る狙撃技術と男を悦ばすセックスを教えたのはこの俺だぜ?」
「っ……」
 彼が遠回しで何を言っているのかシノンにはすぐ理解できた。

 俺の元に戻ってこい――――

 かつてシノンは鬼城のクランに所属しており、彼と共にその悪名を高らかに轟かせていたことがあった。
 だが後に彼らの行動に疑問を覚えたシノンはクランを抜け、今日までソロプレイヤーとして活動しいる。
 そんなシノンを、鬼城は再び自分の側に引き入れようとしているのだ。
「……今回のはあくまで借りを返すだけよ。でなきゃ誰がこんなこと……」
「果たして本当にそれだけかな?」
「な、何が言いたいのよっ!?」
「さぁて……なんでしょうなぁ」
「くっ!」
 毎度の口癖でっくっくっくと嗤いながら鬼城は余裕を振りまく。
 本意ではないながらもシノンは鬼城への奉仕を続けた。
 これ以上どう足掻いても手玉に取られるのが目に見えているので、さっさと奉仕を済ませてログアウトしよう。そして今日はちょっと奮発して何か美味しいものでも買って食べよう。
 そうでもしなければこのモヤモヤとした不愉快な苛立ちを取り払うことが出来ない。
 シノンは、心の中でそう決意して黙々と奉仕に徹することにした。
「っくっくっく……ま、そこは俺の相手をしていただけあってもう手馴れているな。もう一度俺の女に戻るつもりはないか?」
「じゅぷっ、じゅ、ぢゅむ…………冗談言わないで。私はあんたの元に戻るつもりはないし、あんたの味方になったつもりはない。いつか必ず、あんたを倒して……超えてみせる……」
 従順に肉棒を舌で舐め上げ、口に含みながらも、シノンは抗う姿勢を崩さない挑戦的な目つきで鬼城を睨んだ。
「っくっく、そうだ。それでいい。お前はそういう何か目標がある時が一番生き生きしていて実に魅力的だ。その俺に抗おうとする目、嫌いじゃない。むしろ好きだぜシノン。そんなお前が大好きだ。俺ぁ楽しみだよ……っくっくっく」
「……うるさい」
 嫌みなまでの彼の振る舞う余裕と言動は度々シノンの鼻を付き、無視を決め込もうにも募るばかりの苛立ちと不快感でしゃくに障る一方のシノンの冷静さを欠き、奉仕のみへの集中を阻害する。
 結局は彼のペースで一方的に進められてしまい、彼と己の不甲斐なさにシノンは辟易していた。
「そろそろ入れてやるから下を脱げ」
「っ……」
 こうなるだろうとは予想していた。
 男……ましてやこの大男、鬼城が一度の奉仕だけで納得するわけがない。
 彼は尽きぬ己の欲望のため、何度でも女を辱める。
 そして少しずつ相手の価値観を自分寄りに歪めていき、相手が自分に同調するようになるよう仕向けて、最後は自分専用の『牝』として手中に収めてしまう――――それが鬼城だ。
 彼との『付き合い』があるシノンだからこそ、彼の本意を見透かすことができる。
 そしてそれをわかっているにも関わらず、シノンは何も答えずに不本意そうにしながら丈が極端に短いミリタリーパンツを脱ぎ始める。
 彼への抵抗は無意味――――彼との付き合いがあったからこそ、そのこともシノンは重々把握している。
 ミリタリーパンツを脱いだその下は、下着があるのかと思いきやそうではなく、シノンが着ているインナー。水着やレオタードのように全身にフィットした作りをしており、下着は穿く必要がなく、布地の面積が少ない分動きやすいものの、男を誘うような肌の露出と魅惑の逆三角形への布の食い込みに自然と視線が向いて行く。
「っくっく、今着ている服が俺が選んでやった服だってことを覚えているか? 外見こそ普通だが、出すとこは出してさり気なく男を誘うこの服装を――――」
「くっ!」
 己に抗えないと確信している鬼城は、舐めるようにシノンの太モモを撫でる。
 無駄な肉のない引き締まった白い太モモ。無駄な毛一本もないスベスベの肌は触っているだけでも心地良く、引き締まっていながらも女子としての肌の柔らかさがあり、鬼城はそれを一人我が物顔で独占した。
「やはり男を誘う、良い身体をしている……鼻の下を伸してお前に群がる野郎連中の面が目に浮かぶな……っくっくっく」
「っ……!」
 鬼城の言葉にシノンは腹立たしいと思いながらも否定は出来なかった。
 実際、彼女と組む男性プレイヤーや面識のある男連中は彼女と話す時、大抵目を合わせない。
 これが異性に緊張して目のやり場に困惑しているなら可愛いものだが、ほとんどの場合、彼女の身体――――胸や尻、局部などの女の部分に目を向けている。
 さり気なくチラチラ視線を変えて見て見ぬフリをしていても、彼女にはお見通しだった。
 しかし、それを承知の上で彼女は服装を変えることはなかった。 
「お前が隊を抜けてからそれなりに日が経ったが、今だに俺の選んだこの服を着続けているのは何故だろうなぁシノン?」
「あ……」
 太ももに這わせたままの手をゆっくりねっとりと上へと登らせ、彼女のきゅっと締まった尻肉へと達すると痴漢甚だしく両手で尻を撫で回し、それでも飽き足りなければグニュグニュと彼女の尻肉を揉みしだいた。
 一方のシノンも表情こそ歪めたものの、やはりそれ以降は何ら抵抗をせずに鬼城のされるがまま尻を弄ばれ続ける。
「っ……これは……動きやすいから……っ、それで今も、着ているだけで……っ、ぁ……」
 顔を紅潮させ、歯切れの悪い喋りと息切れに混ざって彼女は時々、小さく『女』の声を漏らす。
 本意ではないこの状況に恥辱、屈辱に顔を染めながらも身体は『女』としての快感が訪れて来る自分の身体を、シノンはこの時ばかりは卑しく
「んー? そりゃおかしいなぁ。利便性があるとはいえ、一度フッた男のプレゼントだぜ? 普通は捨てるなり手放したりすもんだろ~?」
「それは…………っひゃ!?」
「文字通り口では嘘言ってても身体は正直だなぁ。今もこうしてお前の身体は『男』を求めている……っくっくっく、この服は今もくすぶっている俺への未練って訳だ」
「ち、違――――っ!!」
 インナーの上から彼女の秘部を指で弄ぶと、ぬるりとした透明の液体が湧き出て太ももへとツーッと一線をなぞって垂れていく。
「や……やめ…………て……っ!」
「素直になれシノン。昔のお前は俺には常に忠実で、素直だったろ?」
「違うッ! あれは、あんたに騙されてっ……」
「騙した? いつ? あん時のお前は自分の意志で俺の前で股を開いていたぞシノン? 自分で惚れといて後から自分の価値観と違ったからと言ってそれを騙し騙されたと言うのは虫が良すぎないか?」
「ッ……!!」
 返す言葉を用意できなかったシノンは苦虫を噛んだ。
 袂を分かち、一人でやってきても、結局は彼を越えられずに今もなおこうして手のひらの上で踊らされている――――
「そのまま腰を下ろせ。ちゃんと上手く挿入れろよ」
「……わかってるわよ」
 シノンは片方の手で自分の下着をずらして秘部を出し、もう片方の手で鬼城の肉棒を握り、自身の秘部の割れ目へ押し当てようと導く。
「――っ! んっ……」
 くちゅりと音を立て、ずぶずぶと鬼城の太い肉棒をゆっくりとシノンの割れ目が飲み込んでいく。
「んっ……っは、ぁぁ……く、んっ…………あ、あ……あっ」
 深くまで繋がったことが確認できると、シノンは鬼城が注文を付ける前に腰を動かし始め、彼女が上下に腰を振る度に繋がりからズボズボと出ては入りを繰り返す鬼城の肉棒とシノンの割れ目の行為が垣間見えた。
「っくっく……なつかしいなぁお前の中。キリトも良いが、昔馴染みのお前が一番相性良いかもな」
「ッ! わ、私をあんな奴なんかと……比べないでっ!」
「あいつも俺からすればお前と同じ『牝』なんだがなぁ」
「ふざけないで! あいつはともかく、私はあんたの牝なんかじゃないっ!! っ、く……今度は絶対に……あんたを、討つ!!」
 シノンは鬼城の膝の上でなおも精悍な表情で気丈に対抗心を現した。
 負けたくないの一心からか、いつの間にか目元からは一筋の涙が流れている。
 こんな奴に負けたくない――――その思いだけが今この場での自分を保たせるシノンの唯一の希望だった。
「っくっくっく、こんな状態でよく言う。見ろ、お前と俺の繋がりを。グチュグチュと音を立ててお前のマ○コが俺のチ○コを美味そうによだれを垂らしながら咥え込んでるぞ?」 
「ち、ちがっ! これは……ッ! あっ……ちが……うの……ッ、ああぁッ!」
 主に牙をむく飼い犬を躾るように鬼城はシノンよりも早く、深く、激しいペースで腰を動かし始める。
「やっ……ああッ! んっ! くっ……あっ、あっ……っあああッ!!」
 パンパンと鳴り響く甲高い音と共に激しく腰を打ち付け、シノンのペースは乱れ、再び鬼城の支配下へと流れていく。
「っくっく、どうしたシノン?  そんなんじゃこの俺は倒せねぇぞ?
「うっ、うるさいッ! あたしはッ……あんたなんかに、絶対負け――――」
「ほぅ、ならこれはどうだ?」
「ひやあぁッ! 耳はっ……耳はぁッ!!」
 鬼城は今も繋がるシノンを抱き、首筋の方へ顔を寄せて彼女の耳に舌を這わせた。
「お前は、昔っから耳が弱いよなぁ。ゲームでも『現実』でもッ……!!」
「ひあああああああッ!!」
 彼女の反応に味を占めた鬼城は、耳を甘噛みし、舌を伸ばして耳の穴の方へも侵入させた。
「耳はぁ……耳はらめぇ……くちゅくちゅってエッチな音……たてないでぇ…………」
 GGO、ひいては現実での戦闘でもそうだが、互いをフォローし合い、部隊行動で連携をとる兵士に対し、単独行動のスナイパーは味方の援護を期待できない。
 その分自分の身は自分で守りつつ、ターゲットを一発の弾丸で確実に仕留めなければならない。
 特に保護色の強い迷彩服は気配の断ち方ひとつで近距離でも目視での発見は難しい時がある。
 そういった時頼りになるのが耳だ。
 目は色や模様で誤魔化せても、立てた音は音を立てる何かかより大きな音がなければ誤魔化すことができない。
 故に戦いにおいて、耳からなる聴力は相手を捜すために重要であり、特に敏感になってもいる。
 そんな彼女の耳を、鬼城はあざ笑うかのように重点的にねっとりと責め続ける。
「あっ……ぁぁ、は…………んっ……はぁぁ」
 ビクビクと身体を痙攣させ、耳から侵入する彼の舌で先ほどまでの精悍な表情はすっかり崩れ、涙と涎にまみれた弱々しくか弱い少女の顔になっていた。
「っくっくっく……耳一つでこの様か。そういえばお前の胸を愛でてやっていなかったな。感度はキリトほどじゃないが、お前の胸は揉んでいて心地が良い」
 そう言って鬼城は向かい合うシノンの両胸をインナーの上から両手で鷲掴みする。
「っ……当たり前のようにっ……揉む、なぁ……っ!」
 彼女の言葉を余所に鬼城は当たり前のようにグニグニと手を動かして彼女の胸の柔らかさを堪能する。
 次第にインナーの上から微かにプックリと頭をもたげる二つの突起を指で摘み、こねくり回す。
 服の上からでも敏感なところは責められるのは辛い。
 望んでもいない快感が身体の奥の方からせり上がり、彼への敵対心を惑わし、警戒を鈍らせてしまう。
「ふっ……くぁ…………んぅッ! あ……っあぁ!」
 服の上からが物足りなく思えば今度はインナーをずらし、二つの膨らみを彼の眼前に晒される。
 本当は望んでいないのに二つの胸は悦んでいるみたいに張りつめ、先端は自己主張するように硬く、コリコリとした凝りを残している。
「んぅッ!! 吸っちゃらめぇぇぇっ……!!」
 快感で張りつめた乳首を口に含み、赤子みたく先端を吸い上げる。
 集中的に性感帯を刺激され、過剰なまでに反応する身体の過敏さになんとか耐えようとするシノンは、無意識の内に鬼城のゴツゴツとした体に必死にしがみついていた。
 その光景は恋人に抱きついているようにも見えるが、今のシノンにはそんなことを意識する余裕はなかった。
「っ! くっ……ぁ…………んふっ……あ、くぁ……あ……」
 抵抗の姿勢を今もかろうじて保っているシノンだが、身体に伝わる反応は着実に彼女の快楽へとなり、彼女の意志に反して抗いを発していた口からは『牝』の声を漏らし始めている。
 繋がったままの腰を小さく、ゆっくりと動かしつつ、鬼城は彼女の胸を愛撫し、女の悦びへと彼女を導いていく。
「言っておくが、お前が俺を殺ろうとするのを目標にすんのは一向に構わん。けどな、だからって俺がそれまで何もしないとは一言も言った覚えはないぞ?」
「……くぅっ! ど、どういうことよ!?」
「俺の目的はなぁシノン、お前を完全に俺の『牝』にすることだ」
「ッ!?」
「お前のその気丈な心をへし折って、俺に屈服して従順な牝にすんのが俺の目的だ。昔のお前や、今のキリトみたく、な」
「だ、誰がッ……!」
 彼女が予想していた悪い予感は現実味を帯びた。

 俺の元に戻ってこい――――

 目の前の男は再びわたしを悪党の軍団に引き入れようとしている。
 自分の意志で決意して抜けたあの軍団に……。
「お前がどう否定したって、結局お前は『俺の女』であることを忘れらんねぇよっ!」
「ッ!!」

 昔の話だ――――

『私が、あんたの女に?』
『そうだ。お前は俺の側にいて初めて強くなれる。お前にはパートナーが必要だ』
『……………』

 あの頃の私は、とにかく強くなるために奔走していた。
 自分の人生を狂わせた『あの事件』を克服するためには強くなるしかない。
 そのために銃への恐怖を乗り越えねばならない。
 行き着いた先はGGOだった。
 あの世界なら銃への恐怖はない。そこでなら自分は強くなれる。
 しかし強くなるなんて簡単に言うが、実際にはそんな上手く行くものじゃない。
 すぐに壁にぶつかり、自分の目指す強さへの疑念が湧き出て来ていた。
 強さとは何か? どこまで行けば強いのか? 何をすれば強くなれるのか? そんな迷走に囚われていた時、あいつと出会った。
 あいつは自分自身を悪党と公言し、その言葉を体現するようにGGOでその悪名を轟かせていた。
 そんな奴のことだ。周囲はさぞ嫌悪するに違いないと思うも実際はその逆で、 彼に賛同したり、彼を好敵手と認識して己を鍛錬し、戦いを挑むなどとGGO内はより一層賑わっていた。 
 周りを焚き付け引き寄せるその悪に、圧倒的な強さを感じた私は惹かれていった。

『クス、あんたの女になったら、私は本当に強くなれるの?』
『それはお前次第だ。だが強くなる足掛かりにはなるだろうよ』
『ふーん……じゃあ、あんたの女になる♪』

 それからの私は、彼の率いる軍団の一員として彼の悪事に手を貸した。
 恐喝、強姦、略奪、暗殺……ゲーム内で可能な架空の悪事に手を平気で染めるならず者たちにあたしは手を貸した。
 けれど悪事を繰り返す内にいつしか疑問を覚え始め、それが強さではなく単なる欲望の発散だと気付いたわたしは、彼――――鬼城の元を離れた――――
 
 今となっては忌々しい過去であり、彼らとの決別がこの世界における『シノン』としての最初の一歩ではないかと考えていたが、いくら離れたつもりでいても結局は彼らの影は後ろからジリジリと付いて回っていた。
 それを見て見ぬフリを続けてきた結果がこれだ。
 本当の意味で離れられなかったのは彼らではなく自分だったのかもしれない。
 今も身体に染み着く女……『牝』としての悦びは自分の意志に反してでも身体に忠実で、ひとたび快楽が訪れれば、戒めることすら叶わない忌まわしい呪いとなっていった――――

 ※

「ぃやあああッ! そんなに激しくっ……しちゃ………っくああぁぁッ!!」
「ッ……中に種付けしてやんぞッ! しっかり脚絡めて抱き締めろッ!」
「ひぃッ……んはぁ、はあ……う、ああっ!」
 腰を打ち付ける甲高い音とグチュグチュと卑猥な水音が混ざり合い、更に快楽に支配されたシノンの甘い牝の声が折り重なった性の三重奏は部屋中に鳴り響き、二人は互いを貪るように腰を振り続ける。
「けっ! アヘアヘのとろけ顔しやがって! 本当は今も俺のことが好きなんじゃないのか?」
「きっ、嫌いよっ! あんたなんか、大っ嫌い!! 私が好きなのはっ、あんたの………………ち○ぽよぉッ!」
「っくはっはっはッ! ようやく素直になってきたなぁ!」
「うるさいッ!」
 顔を紅潮させて羞恥しながらもシノンは腰を振るのを止めない。
 以前は毎日のように何度も味わったこの感覚。
 繋がり合って互いに腰を振り、夢中になって快楽を貪る。
 ここに来てシノンはある種の懐かしさを覚え始めていた。
 かつての自分。鬼城率いる軍団の一員として、悪名を轟かせていたあの頃を――――
「そういや、お前に付きまとっていたあのモヤシ小僧はどうした?」
「っ……シュピーゲル……新川君のことを、そんな風に言わないでっ……あんたと別れてから、彼には……結構助けてもらってるんだから……」
「ほぅ……じゃもう寝たのか?」
「っ!? 馬鹿なこと言わないでよっ! 新川君は良い人だけど、別に恋愛の対象としては……」
「見れねぇよなぁ? 俺の味を知っちまってんだからなぁ!」
「ふ、ふざけないでっ! 誰があんたなんかと……あんたと寄りを戻すくらいなら、新川君の方がマシよ!」
「そうか? 俺の見立てじゃあのモヤシはろくなもんじゃないと思うぜ?」
「それ以上彼を悪く言うのはやめて!」
「まぁ、あの手の奴の動きはわかりやすい。お前もその内その違和感に気付くだろうよ。いや……気付いてて気付かないふりをしてるかもしれないがな……っくっくっく、だが、その前にお前は俺の元に戻るだろうよ。シノンッ!!」
「あっ! ふああっ!! あっ……あっ……っくぅ……!!」
 再び腰を激しく打ち付け始める鬼城にシノンは意表を突かれる形となり、秘部は鬼城の肉棒を咥えっぱなしで愛液でグショグショになり、それにより滑りもよくなって先ほどよりも更に快楽がせり上がってくる。
「もう中に、ぶちまけんぞっ……!!」
「いやっ……中にッ、中に出されたらぁっ、戻れなくなる……! あんたから離れられなくなっひゃうぅぅぅぅッッ!!!!」
「お前は俺の女だぁッ!! 昔みたく、派手にイけッ!! 詩乃おおぉぉぉッッ!!!!」
「ぃっ――――くううううううううううううううううううううううううッッ!!!!」

 ドビュッ! ビュクビュクッ! ドビュルルッ! ビュルルルッ!!

 ビクンと一度痙攣して腰を浮かせ、大きく仰け反ってシノンは久しく絶頂を迎えた。
 同時に、鬼城の肉棒がシノンの膣奥深く……子宮へ溢れかえるばかりの白濁の精を放出していた。
 互いに快感の頂点に達した後はそのまま崩れるようにソファに深く沈み込んでいった。
「っふぅ…………案外、見て呉れだけだったな。お前のその信念も」
「きもひぃぃ……きもひぃよぉ……あんたのぉせーしぃ、ひさしぶりすぎてぇ…………いっぱいじゅせいしちゃってぇ……きもひぃよぉ」
 鬼城が横たわるシノンを見ると、間の抜けたように自身の秘部に手を当てて溢れ出る精液を指で掬って恍惚とした表情を浮かべていた。
「っくっくっく、お前の負けだな……シノン?」
「んぅ……ふぁぁい……わらひ、まけまひたぁ……」
 それは、シノンの事実上の敗北宣言だった。
 己の面子や理性をかなぐり捨て、ただ快楽を追求し、男への奉仕と女の悦びを体現する鬼城という存在……シノンはその内なる欲望に打ち勝つことができなかった。
 しかし、その姿は何かに満たされ、それまで以上に報われた表情をしていたという――――

 ※

「ん……くちゅ、ぴちゅ……れりゅぅ……んぁ、んっ……」
 事後。服を脱ぎ捨ててお互い裸になってベッドの上で横たわる。
 その間にシノンは鬼城の未だに萎える気配のない肉棒を口に咥え込んで、付着したままの愛液と精液を入念に舌で舐め取っている。
 その姿を愛でるように鬼城は奉仕するシノンの頭を撫でている。
「いいぞ……そのまま顔で受け止めろ……っ!」

 ビュク……ビュルビュルッ! ビュ、ビュッ……

「んああぁッ!? あっ……あ…………ん、ぺろ……」
 再び放出された鬼城の精をシノンは言われた通り顔で受け止める。
 顔中に白濁の液体が飛び散り、獣のようなむせ返る男の臭いがシノンの鼻を付く。
 だがシノンは表情一つ歪めずに顔に掛かった精液を指で掬っては口元へ運んだ。 
 如何に鍛錬を重ねていようがいまいが、女性の根底にある女としての悦びが自分の中に秘めらていることに変わりはなく、それに逆らえないのは人としての性であり、到底抗えるものではないことをシノンは身を以て思い知ることになった。
「シノン、もう一度言う。俺のところに戻って来い。俺はお前を最高の牝として仕上げると同時に、もう一度お前を鍛え直してやる」
「あ…………え……?」
 白濁にまみれて放心していたシノンは光のない目で視線をゆっくりと鬼城に向けた。
「今のお前は十分強い。だがそこが限界でもある。より高みを目指すなら、お前は変わらなければならない」
「…………」
「俺の側でまた牝として仕えろ。俺の部隊で一人の戦士として戦え。そうすればいずれお前は俺すら越えることも夢物語ではない。なにより……俺にはお前が必要だ」
「っ……本当に……私を強くして…………くれるの……?」
「なれるかどうかは、お前次第だ。だが、お前には素質がある。男を悦ばす牝の素質と、ここ(GGO)の頂点に君臨できる最強の称号を欲しいままにできる素質を……な」
「私……に?」
「シノン、お前は――――俺の『女』になれ」
「……………………わかった。あんたのとこに…………戻る……」
 ソファの上で、鬼城にすり寄りながらシノンは言った。
 こうなることは以前から見据えていた。
 だがそれは自身の堕落であり、ようやく克服したものと引き替えに再び自分を悪の道へと陥れる行為である。
 それだけはしてはならない……シノンは今日までそう心に刻み込んできた。
 しかし、キリトが彼の手に完全に堕ちた時、その心は揺らいだ。
 彼らに貸しを返すことを迫られ、キリトをおびき寄せる計画にシノンは協力することになった。
 彼への罪悪がないとは言わないが、心配はしていなかった。
 彼は強い。光剣で銃弾を弾き、あまたの強豪プレイヤーを光剣ひとつで切り捨ててきた彼なら……彼のような正義感のある奴なら、自分にはできなかったアイツを倒せるかもしれない……そんな希望すら思い描いていた。
 ところがそんな希望は最悪な形で裏切られることになった。
 最強の黒い剣士は、悪党の親玉に敗れたのだ。
 それどころか、彼は調教を受け、いつしかかつての自分と同じ『牝』へと変貌し、アイツに仕える牝剣士になり果ててしまっていた。
 彼はそれまでの正義感を覆すかのようにアイツと共に悪行をこなし、平然とした顔で多くの被害者を出した。
 何故こうなった?
 あの時彼らに協力しなければ……と自責の念に囚われ、シノンは泥沼の中へと身を沈めていった。
 そして今、沼の中から這い出た彼女は、それまでの彼女ではなくなっていた――――

「……首輪」
「あ?」
「付けるんでしょ? 首輪。あんたの所有物って証の」
「飲み込みが早いな」
「一度経験してるのよ。見くびらないで」
 首に巻いていた長いマフラーを外し、白く澄んだような肌の首を鬼城の前にシノンは晒した。
 そして鬼城も予てより保管していたソレをシノンの前に取り出した。
 黒い革製の外観に銀の金具や装飾が施され、中央には彼の率いる軍団だのエンブレムを掲げたペンダントが備え付けられたソレは、紛れもなくかつてキリトも自身の首に装着した『牝』の首輪そのものだった。
「前にお前が付けていたものだ。いつかまた戻って来ると見据えて残しておいた」
「変な所で律儀ね」
「まぁ、使い捨てにするには勿体ないほど貴重なものでもあるがな」
 っくっくっくと笑う鬼城は金具を外してシノンの首へとソレを近付ける。
「……なんで?」
「あ?」
「なんで別れた時、首輪を外してくれたの? 付けたままなら今もずっと私を束縛できたんじゃない?」
「……」
 鬼城は首輪を持つ手を止めた。
 鬼城と交際していた時、やはりシノンは今のキリトと同じ牝の首輪を付けていた。
 最初はアクセサリー感覚と気分が高揚する作用で気に入っていたが、彼らに疑問を抱き始めた時、首輪の本来の役割にシノンは苦しめられた。
 主である鬼城に反する行動、考えを抱くと罪悪感にも似た気持ちの悪い嫌悪に苛まれる。
 もう彼らと関わりたくない――――そう考えれば考える程に首輪を媒介に自分の中に嫌悪感が溢れ、その度に自分の意思が揺らぎ、何度も自問自答を繰り返した。
 だがそれを耐え抜き、シノンは鬼城に別れの意思を伝えることが出来た。
 とは言っても首輪がある以上、本当の意味で彼との手を切ることは出来ない。
 この時ばかりは本気で首輪の存在を呪ったシノンだが、意外にも鬼城はあっさりと首輪を外し、シノンを自由にしたのだ。
「惜しいと言えば惜しかったが、首輪の呪縛を自分の意志で断ち切ったお前の意を汲んでやった。なにより――――」
「?」
「最後はこうして俺の元に戻ってくると確信していたからな……っくっくっく」
「っ…………あの時、あんまりにもあっさりと私を手放すから、もう私に飽きてたのかと思った……それが、なんか…………ちょっとだけ………………悔しかった……」
 無意識の内にいつの間にかそれまで内に秘めていたものがつい口から漏れ出てしまっていた。
「っくっくっく、素直でよろしい」
「っ……!!」
 辱めを受けたような心境だが、シノンは改めて実感した。傍若無人で女を奴隷のように扱い、現実ならまず犯罪者で間違いないこの最低最悪な男に、支配されることを……心のどこかで望んでいたのだと。
 彼を慕い、従う一匹の牝として……。
「言っておくが、こいつは前の物と言っても若干改良を入れてて効力は前より強力だ。恐らく、一度着けたらもう二度と自分の意思で打ち勝つことは出来んぞ。それでもいいのか?」
「……好きにすればいい」
 素っ気ない素振りを見せたが、自分の中で何かが高揚するような感覚がせり上がっていることをシノンは内心否定しながらもその存在を認識していた。
「一度牝から解放されてわかっただろ? お前には、俺が必要だってことが」
「……っ、あんたのそういうとこ……嫌い」
「嫌よ嫌よも好きの内よっと…………付けたぞ」
「…………」
 首に馴染む懐かしい感触と重み。かつて強さを求めて悪党を公言する男のモノとなった証。
 そして込み上げてくる高揚感は自分が彼を主と認めている証拠。
 シノンは鬼城の前で膝を突き、ゆっくりと頭を下げていった。
「これで、私はあなたの牝………………なんなりとお申し付けください――――ご主人様」
 隷従の証――――その姿を目にした鬼城は勝ち誇ったように邪悪な笑みを浮かべた。
「また一から牝へと躾けてやる――――服従のキスをしろシノン」
「はい――――ん、ちゅ……ちゅる、ちゅぷ……ちゅぷっ、んぅ……ちゅっ……」
 GGO有数の最強の狙撃手は、再び飼い主の元へ戻り、一匹の牝としてその身を欲望に委ねて堕ちていった――――

 ※


 その日もまた、GGO内であるイベントが開催される日だった。

「皆様! 本日はお忙しい中当イベントにお越しくださいまして誠にありがとうございます! わたくしは当イベントの司会進行を勤めさせていただきますヒョウドウと申します! どうぞ本日は心行くまでお楽しみくださいませ!」

 ひょっとこのお面のような顔をして手際よく司会を勤める背高のっぽのヒョロヒョロとした細身の男、ヒョウドウは鬼城率いる軍団の中でも幹部に位置し、彼の副官も務める知恵者にしてGGOで最強に位置するプレイヤー、闇風と対等以上に渡り合う影の実力者でもある。
 彼は始終違和感満載のオカマ口調でイベントの参加者たちに内容を解説しながら本会場へと案内をしたそこは、招待が得られた者のみが入出可能な専用のフロア。
 大した装飾もなく、無機質な金属の壁のフロアには窓はなく、中央に天井のスポットライトが照らす大きな円盤状の台座ある。
 その円盤の台座を囲むように男たちが立ち並ぶ。そして――――

「あっ、んふ……ふぁぁ、んっ……あ……」
「っはぁ、はぁ……んぅ、あっ……っあぁ!」

 壇上の上の二人――――キリトとシノンは甘く淫らな享楽に耽っていた。
 これは鬼城主催によって開催されたイベント――――キリトとシノンによる公開オナニーショーである。
 招待された参加者たちは瞬く間に二人の淫らに喘ぐ自慰姿に釘付けとなり、台座の周囲を隙間なく囲って自らも溜まった欲望を開放するために自慰に耽り始める。
 参加費は500万クレジットと高額であるが、招待されたプレイヤーの中で誰一人として欠席者はいなかった。
「っくあぁぁ……みんなが、みてるよぉ……あ、は…………んぅ」
「キリトぉ、あんたオナニーだけで感じ過ぎよぉ……んっ、はぁぁ……っ……ん、ふぁぁっ」
 二人が着ている服は普段着ている服装をベースに胸や尻、局部を意図的に露出させており、デザインこそ同一だが全体的に露出度が異様に高い。
「いつも着ている黒いコートが裸マントみたいになって……最高だよキリトちゃぁぁんッ!」 
「しっ、シノンたんの裸マフラー姿も……いいッ!!」
 男たちを誘う服をまとった二人は、かつての姿とは別人のように淫靡かつ艶かしく身体をくねらせ、囲む男たちの眼前で自身の胸や局部に触れて愛撫する。
 その姿と、艶のある甘い牝の声を前にした男たちは己の興奮をより一層たぎらせる。
「きっ、キリトちゃん、その……お、応援とか……シてもらえないかな?」
「応援? …………ああ、そうゆうことか……クス♪ たまってる、ってやつなのかな?」
「は、はい……」
「しょうがないにゃあ……いいよ♪」
「ほ、ほんとにっ!?」
「うん♪ それじゃ、わたしがあなたのおち○ちんを応援しちゃうから、いっぱいシコシコして、勃起してね♪」
「はっ、はいッ!」
「クス♪ じゃあ、おち○ちんさん? いっぱいおっきおっきしましょうねぇ~♪」
 男のやや萎えかかっている肉棒をまじまじと見つめて優しく微笑んだキリトは、そのままテンポ良く手拍子を掛ける。
「おっきくなぁ~れ♪ ち・○・ぽ♪ おち○ぽふぁいとぉ♪ おち○ぽふぁいとぉ♪」
 パン、パンと手を叩きながらキリトは恥ずかしがる様子もなく淫語の含まれる応援を続ける。
「はい! シーコ、シーコ♪」 
 そしてそれに呼応するように男の萎えかけた肉棒がビクンビクンと脈を打ち、地面へ俯く亀頭を天へともたげ始めていた。
「あは♪ おっきくなってきたぁ! がんばれぇ♪ がんばれぇ♪ フレーフレー! ち・○・ぽ! がんばれがんばれ! ち・○・ぽ!」
 キリトの純真無垢な少女のような明るさで卑猥な応援をされる度に説明できない快感がせり上がり、彼の肉棒はビクビクと震えて先端から先走りの汁がダダ漏れ状態になるまで性がたぎりきっていた。
「うっ……あ……ああっ!」
「うん♪ おち○ぽ、ちゃんとおっきくなれたね♪ エライエライ♪ でも、ちょっと元気になり過ぎちゃったかな? 今にも爆発しそうだよ?」
「お、俺のち○こを応援してくれる、キリトちゃんがっ……可愛過ぎて……!! や、やばいッ! もう……!! 出ますッ!」
「あっ! まだダメ!!」
 高ぶるリビドーを抑えきれなくなって絶頂へと達しようとする男を、キリトは制止した。
「え!? な、なんでっ……!?」
「お楽しみはこれからだから、もう少し我慢して♪ ね?」
 するとタイミング良く司会のヒョウドウが参加者全員を呼びかけた。
「はぁーい皆さん! お楽しみのところ失礼ですが、ここから先は特別サービスをご用意させていただきました!」

「「「?」」」

 当初聞いていたイベント内容にない特別サービスなるものの存在に男たちは首を傾げて司会のヒョウドウに顔を向ける。
「皆様がお振込いただきました参加費、そこに更100万クレジットを追加振込してくださいましたお客様には、キリト並びにシノンによる手コキサービスを致しますよぉ~。更にもう100万クレジットをお振込の方にはフェラのサービスも解禁できますよぉ~」

 ざわざわざわざわ……

 にわかに男たちが色めき立つ。
 そう間近に二人の享楽の姿を拝むことが出来ない彼らにまたとない機会ではあるものの、やはり見ている内に触れたい、触れられたいという願望は募るばかりで、そんな矢先に極楽の境地も金次第と言わんばかりの吉報が彼らの前に舞い込んできたのだ。
「ひゃ、百万……払いますッ!」
 意を決した参加者の一人が大きく名乗り出た。
「……お振込を確認。どうぞごゆるりとご堪能くださいませ~」
「よ、よっしゃ!」
 追加料金を支払った男は息を荒げて足早にキリトの前へと向かった。
 すれ違いざまで彼を見た他の参加者たちは何かを察するようにはっとするや、一斉に声が挙がる。

「こ、こっちも百万払います!」
「俺は二百万だッ!」
「俺も俺も!!」
「追加料金払いますッ!」

 我先にと言わんばかりに男たちは名乗り出て、湯水の如く大金が鬼城の口座へと振り込まれていった。
「お支払いありがとうございます。さぁさぁ! 順番にお二人を存分にご堪能ください!」

 うおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおッ!!!!

 支払いを終えて晴れて二人に触れられる機を得た男たちは水を得た魚のように壇上に控える二人に殺到する。
「やぁん……みんなガッツき過ぎですよぉ~////」
「ちゃんとイカせてあげるから、順番に並びなさい!」
 シノンの号令の元、散り散りにばらけていた男たちが一斉に自主的に列を形成し始める。
 そしてズボンからパンパンに張り詰めた自身の欲望を晒して二人の前に男たちは立ちはだかる。
「っくぅぅ~! シノンちゃんっ……舌使いがすごくやらしくて……っ!!」
「ん……れろぉ……れりゅれりゅ……っ、ちゅぷ…………ふふっ♪ 気持ち良いでしょ? 銃もち○ぽも、扱うのは……得意なんだから……んっ」
「あ、あのシノンちゃんがこんなに……うあああッ!」

 ズビュッ! ビュッ! ビュッ!

「クス♪ 私の手を精子でこんなに汚しちゃって……しょうのない子……♪」
「し、シノンちゃん! まだ出たばかりで……ぐあああッ!!」
「ふふっ♪ 今日参加した人は、空になるまで精子出してあ・げ・る♪」
 今も熱く欲を膨らます男の肉棒を片手に、シノンは妖艶に微笑んだ――――

「えへへ♪ わたしこう見えて、前にやってた他のゲームで二刀流とかやってたからぁ、おち○ぽの二刀流も得意ですよぉ♪」
 囲む男たちを相手に、キリトは二人の勃起した男の肉棒を手にして手際良く前後へ根本から先端までシゴきあげる。
「ぬほおおッ!? きっ、キリトちゃん……こりゃあいくらなんでもっ……上手すぎッ!!」
「や、やばい! これじゃすぐにっ……!!」
「シコシコ♪ シコシコ♪ 二刀流使いを、甘く見ないでくださいよ~?」
「うっ! うああああああああああッ!!」

 ビュクッ! ビュクビュクビュクゥッ!!

「あは♪ 出た出たぁ~♪」
 男が吐き出した精を顔から浴びているキリトの姿は、今この場の行為を除けばまるで無邪気にはしゃぐ少女のようだった。
 鼻を突く生臭い雄の臭いに酔いしれ、ドロドロと垂れる男の精を指で掬い、幸せと言わんばかりに恍惚とした表情を浮かべている。
「うわああああっ! き、キリトさんっ……! こ、こっちもぉッ!!」

 ズビュルッ! ビュクッ!  ビュクッ……ビュクビュクッ!

「ぁん♪ いきなりピュッピュされたら、びっくりしちゃうでしょ?」
「す、すみません……つい」
「もう……めっ! だからね? でも嬉しいなぁ♪ わたしに興奮してこんなに濃いザーメンいっぱいわたしにかけてくれて……♪」
 迫る男を一人残らず絶頂へ導いていくキリト。
 身にまとっていた黒衣の衣装は吐き出された男たちの白濁とした欲望にまみれ、次第に漆黒は性の白色へと染まっていく。
「きっ、キリトたんも、ち○ぽ大きくしちゃってるけど……やっぱり興奮してるの?」
「当たり前ですよ~♪ こんなに立派なおち○ぽさんたちに囲まれたら、エッチな気分にならない方がおかしいですよ~♪ ん、あむ……むひろぉならなかっはらおひ○ぽひゃんにひふれいれふよぉ~♪」
 名前すら知らない男の肉棒を、躊躇なく愛玩動物を愛でるように優しく、キリトは口に含んで舌を絡ませる。
「お、オレらと同じ、男の子なのにっ……すげぇエロくてッ……! っくはああっ!」
「ちゅぷっ……エヘ♪ 男の子でも、心は女の子だからぁ、みんなのためにいっぱいエッチになってがんばってるの♪ それにぃ、男の子だから普段みんながおち○ぽおっきくして辛い思いしてるの、一番良くわかるから♪」
「きっ、キリトたぁぁんッ!!!!」

 ドビュッ! ビュクビュク……ビュルルルルルルルッ!!!!

「んああああああああッ!!!! しゅごっ……せーしいっぱいッ! しゅごいよおおおおおおおおおおおおッッ!!!!」
 噴水のように勢い良く噴き出る男の精を両手のひらで掬うように受け止める。
 顔や胸、髪やお腹、太モモにまで飛び散る精液を一心に受け止め、悦ぶキリトの瞳には、ハートの形が浮かび上がっているように見えた。
「んはぁ……♪ せーしぃ♪ ざぁーめんぅ♪ らぁいしゅきぃ♪」
 身体中を男たちの精液にまみれ、幸せそうに手のひらに乗せた精液をネチョネチョと指で弄ぶキリトの姿に男たちはニヤニヤとほくそ笑んで再び己の股間をムクムクと膨らませた。
「ねぇキリトちゃん? その……キリトちゃんがイクところも、見たいなぁ?」
「……っ、んぅ……キリトのぉ? キリトのピュッピュしてるとこぉ、みたいのぉ?」
「う、うん……キリトちゃんのピュッピュするとこ……見たいなぁ」
 ん~と声を漏らしながらキリトは考えるような仕草をした後、返事に固唾を飲む男に甘い笑みで微笑んだ。
「えへへぇ♪ いいよぉ♪ キリトのぉせーしピュッピュしてイッちゃうとこぉ、いっぱいみてねぇ♪」
「はっ、はいッ!!」

 おおおお……

「んんっ……//// みんなに一斉に見られちゃうと恥ずかしいよぅ……////」
 キリトは内股気味に少しモジモジとしながらも自身の肉棒に手を伸ばし、男たちの精液で汚れた手でコシコシと上下に擦り始めた。
「っぁぅ……み、みんなのせーしがローションみたいになってっ……っ、んぅ………//// すごく、ヌルヌルして滑りがっ……んあああッ!」
 グチュグチュヌチヌチと卑猥な水音が立ち、ビクビクとキリトの肉棒は脈打った。
 少女のような外見に反して彼の肉棒は一人前の男のソレであり、反り立った竿を握って根本から裏スジ、亀頭へと手を滑らせる。
「んはぁ……あ……おち○ぽシコシコきもちぃよぉ……おなにぃみんなに見られてぇ、キリトはぁきもちよくなってましゅううぅぅッ!」
 羞恥を覚えていながらも彼の手は緩めも止まりもせず、ただ本能が求める快楽のまま自身の身体を慰め続ける。
「あ、あっ……もうイクっ! イクイクッ! イッちゃうよおおぉぉッ!!」
 少女の身体に生えたように見えるくらい彼の肉棒は異質な存在で、そのギャップに興奮する男たちは間もなく迎えようとする絶頂を前に目を血走らせる。
「イッくううううううううううううううううぅぅぅぅッッ!!!!」

 ビュッ! ビュッ! ビュクビュクビュクゥッ! ビュルッ、ビュルッ……ビュルッ!

 二度大きく反り返るように痙攣し、押さえ込んでいたもの爆発させるようにドクドクと精を噴き出した。
「んはぁぁぁぁ……♪ っ、んぅ……キリトはぁ、いっひゃいまひひゃぁ……♪」
 噴き出た精液は自身の身を汚し、男たちの精液と混ざり合って最早誰の精なのか判別できない有様になっていた。
 そんな誰のかわからない精をキリトは美味しそうに手で掬っては口に運んでいた。
「んぐ……くちゅくちゅ…………っ、はぁぁ……♪ みんなのせーしミルクぅ、美味しいよぉ♪」

 お……おおおおお……

 夢中になって精液を口に運ぶキリトの淫靡な姿に男たちは魅了された。
 そのために彼の背後に忍び寄る魔の手に誰も気付くことが出来なかった。
「こぉのおバカ!」
「んはああッ!! し、シノン!?」
「なぁに勝手に射精してるのよぉ? ご主人様に叱られるわよぉ?」
「あぅ……ご、ごめんなさい……」
 脇から手を滑り込ませ、牝として開発されたキリトの胸をシノンは弄ぶ。
 両指で乳首を摘み、クリクリと弄る度に喘ぐ牝の声を楽しみつつシノンはキリトに熱のある吐息を吐いて耳打ちする。
「そのふにゃち○ぽ、元の勃起ち○ぽに戻してあげるから、感謝しなさい」
「え? ひゃあッ!?」
 シノンはキリトの背後から手を伸ばし、射精して萎縮したキリトの肉棒を握り、勃起を促すように上下に擦り上げる。
「あああああッ! おち○ぽイジめちゃ、らめええッ! っちゃうから! またイッちゃうからぁッ!!」
「ふふ♪ ダメよイッたら。あとでご主人様からご褒美もらえないわよ?」
「やぁ! やらああああッ! ご褒美欲しぃぃッ!!」
 与えられる快楽に逆らうことなく淫らに喘ぐキリトに対し、自分に物足りなさを覚えてきたシノンは彼の脇から頭を突き出して彼の胸に吸い付いた。
「ちゅっ、ちゅ……ほんとに母乳が出るようになったのね……キリト。しかも、結構美味しい……」
「ああっ! シノン! だめだって! そんなにちゅーちゅーされたらっ……わらひぃ、わらひぃぃッ!!」

「お、おおお……シノンちゃんがキリトちゃんに絡んで、レズな展開になってきたぞ……」
「バカ! キリトちゃんは女の子だけど実際は男の娘だろ!? だからレズなんかじゃねぇよ!」
「どっちでもいいだろ! どっちがどうだろうと、こんなエロい光景を拝んで損はねぇんだから!」

 淫靡にじゃれ合う二人の姿に、かつての面影は残っていなかった。
 世を騒がせ、多くの死者を出したデスゲームを生き延び、制覇した英雄とうたわれた『黒の剣士』は今や男たちの精を一心に受け止め、白濁にまみれて満たされた表情を浮かべていた。
 GGO屈指の狙撃の名手にまで登り詰めていた少女は強くなるために握る銃よりも牝の本能を呼び覚ます男の肉棒を手に取ることに生き甲斐を感じていた。
「ん……あむ……っ…………んふふっ♪」
 艶のある黒髪にねっとりと絡み付いた精液を指で掬っては口に運ぶキリトと口元に付着した精液をペロリと舌を伸ばして舐め取るシノン。
 今の二人には獣のような男たちの欲望に抵抗はなく、受け入れ、奉仕し、彼らを悦ばすことに悦びを感じている。
 牝の本能を開花させられ、抑えることの出来ない疼きはやがて男を求め、一人の主を定め、服従していくことを余儀なくされる。
「はぁ、はぁ……キリトぉ……顔にもせーし、ついてるわよぉ……♪」
「んぅ……シノンだって……あっ……は…………し、シノンっ! ……おっぱい舐めちゃ、やぁっ……! んっ、あぅ……////」
「ちゅ、ちゅっ……ん、おっぱいで感じちゃうのー? キリ子ちゃんはえっちでちゅね~♪」
「らっへぇ……気持ち良いんだもん……シノンだって、おっぱい……」
「あっ! ちょ、ちょっとキリトぉ……あ、んっ……」

「あ、あの…キリトさん……」
「シノンちゃん……」

「ふぇ? ひゃ!?」
「な……」
 ふと声が掛かって二人は周りを見て唖然とした。
 見渡す限り肉、肉、肉……男たちの身体によって囲われた肉の壁。
 向こう側の壁すら見えないくらい密集した男たち。
 そして一人残らずその下半身の分身は反り立つ抜き身の刃の太刀となっていた。
「オレ達の世話……お願いしても、いいすか……?」
 取り囲む男たちの高ぶる肉棒に二人は動じる様子はなく、むしろ妖艶に微笑んで、舌をぺろりと出して生唾を飲んだ。
「あん♪ みんなまたこんなにおち○ぽおっきくして……エッチなんだからぁ♪」
「……ほんと、しょうのない子たちね……いいわ。玉袋が空になるまで付き合ってあげるわ! さぁ、私たちの前にち○ぽをどんどん出しなさい!」

 おおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!!!

 男たちの欲望の宴はまだ終わりそうにない――――

 ※

「ふぁぁっ……シノン、そんなに乳首擦りつけちゃッ…………んんぅッ! ご奉仕、できないよぉ……////」
「あぁ、ん……キリトだって……乳首、こんなにコリコリにしてッ……んはぁぁ……////」
 身体を密着させている二人は互いの胸が擦れ合って意図していない快感に頭を悩ませた。
「なに二人で楽しんでんだ? 真面目に奉仕せんと褒美はやらんぞ」
「んっ、ふぁい……ぺろ……ちゅ、ちゅぷ……」
「……っ、すみません……っはぁ……ん、ちゅ……ぴちゅ……」
 GGOでも指折りに入る実力を持つ二人は一人の男の前で跪き、彼の熱く熱を帯びて反り返る肉棒を夢中になって舐めている。
 互いに舌を伸ばして隙間なく舌を這わせて奉仕をする。
 己の肉棒にしゃぶりつくキリトとシノンを鬼城は悠々と見下ろしていた。
「っくっくっく、近頃はお前たちのお陰で大盛況だ。もうGGOでお前らの名を知らん奴はいないだろうよ……」
「んぅ……ありがとうございましゅぅ…………ちゅ、ぴちゅ……ぺろ、れりゅれりゅぅ……」
「あ、ありがとう、ございますっ……ちゅぷっ……ちゅ……れろれろぉ」
「で、シノンよ。あれからあのモヤシはどうだ?」
「ちゅ……ん、ご主人様の言う通り。この間告白してきて、私に…………関係を、求めてきたわ……」
「だろうなぁ。面識のねぇ俺でもわかるような性格してるからなぁ。それでどうしたんだ?」
「っ……断ったわよ。前にも言ったけど、彼を恋愛対象として見てなかったし……それに」
「それに?」
「…………今の私は……ご主人様の、女だし……」
「っくっく、それでいい……来い、シノン」
「んっ……////」
 恥じらうシノンを膝の上に乗せ、彼女の胸を鷲掴みにする。
 シノンもまんざらでもない表情で鬼城の好きなように胸を揉ませ、時々小さく牝の声を漏らしてその身を彼に委ねていた。
「あーん、ご主人様ぁ……わたしもぉ」
「キリトか。っくっくっく、お前ももう立派な牝だな……最初の頃の面影すら見えないぜ」
「あの頃はいいんですぅ。キリトはぁ、ご主人さま専用の牝キリトに生まれ変わったんですからぁ♪」
「そうだな……あの頃はまだ『男』だったからなぁ……色々と手を焼いたものだ。まぁ、ガキのようにビービー泣き叫ぶお前を犯るのも、なかなか面白かったけどな」
「うぅ……//// 恥ずかしいこと言わないでください……『男』だった頃の自分なんて、嘘と偽善に塗り固められた最低な奴だったんですからぁ……」
 キリトは自分が『男』であった頃を邪険するように言った。
 牝になった今、彼にとって自分が『男』であったことは忌むべきであり、恥部のかたまりでしかなかった。
「っくっく、そう卑下にしてやるな。手は焼かされたが、お前は最高の素質を秘めていた。自分好みの牝に育て上げるのも飼い主の勤めであり、楽しみの一つだ。そういう点ではお前は俺好みによく育ってくれたものだ」
「ご主人さま……大好きです////」
 恋人でも見るような甘い目で鬼城を見つめ、キリトは愛おしげに彼の肉棒に舌を這わせた。
「っ……キリトばっかに構ってないで、私のおっぱいも……ちゃんと、揉みなさいよ……////」
「っくっくっく、前よりは素直になったなぁシノン。ところで、前にお前に絡んでいたあの三バカはどうした?」
「っ……」
 再び鬼城に胸を揉まれながら、耳の痛い話にシノンは視線を泳がせた。
 シノンこと浅田詩乃は、過去にあった事件で一部の学生からイジメを受けている。
 悪口や恐喝、たまに暴力といった嫌がらせが主で、世間では自分よりももっとひどい扱いを受けている者いると考えれば、自分などまだかわいいものだとも思えるが、実行犯三名の女子生徒には内心辟易もしており、過去に鬼城にもそのことは打ち明けており、彼もその三人の存在は認知している。
「なんなら、俺の方から兵隊を何人かお前に貸してやってもいいんだぜ? あいつらはブスでもJKならなりふり構わずだから、その日の内に全員姦してアヘ顔ピースの写メが届けられるぞ?」
「っ……あんたの、そういう悪趣味なとこ……嫌い」
 不貞腐れるようにシノンは鬼城の膝から離れ、再び彼の膝元……今も絶倫している彼の肉棒の前に身を寄せた。
「っくっくっく、嫌いとか言いながら、行き着く先はち○ぽか? 大した女だよ。お前は」
「っ……ん、くちゅ…………私は、あんたの牝である前にっ……あたしはあんたの、彼女なんだから……ここ(GGO)でもリアル(現実)でもっ……ん、ちゅぷ…………彼氏のココの世話をするのも……彼女として、当然の勤めだわ……んぅ、ちゅ……」
「あー! シノンだけズルイー!」
「っふ、はっはっはっはっはっはっ!! やはり、お前等は最高の牝だ……これからも俺のために尽くせ」
「はい//// キリトはぁ、ずっとご主人さまの牝としてぇ、いっぱいご奉仕しますぅ♪」
「私も……ご主人様のために、身も心も全部……捧げますっ……」

 チュッ……

 二人は主の肉棒の先端に牝として誓いの口づけをした。
 共に主への服従を誓い、同じ証を首に付け、主が求めるまま股を開き、主と敵対する者には容赦なく武器を向けた。
 最強の剣と銃を手にした鬼城は表には出さず、心の中で盛大に笑い声を上げていた――――

――――終章――――

「キリト君ッ!」
「お兄ちゃんッ!」

 突然の出来事だった。
 治安の悪いスラム街の中、キリトと鬼城の前に現れたのはキリトの良く知っている二人だった。
「アスナ……それにスグ…………どうして、ここに……?」
「キリト君を迎えに来たからよ!」
「お兄ちゃんがいつまで経ってもALOに戻ってこないから、あたしたちもGGOにコンバートして、お兄ちゃんを探してたの!」
「わた……俺、を……?」
 危険を顧みず、ALOから環境が全く異なるGGOにコンバートしてまでやって来た二人は、よほどの覚悟を持って来たのだろう。
 内容はどうあれ、自分のためという言葉にキリトは内心嬉しさを覚えていた。
 顔馴染みであった顔を久しぶりに目にした懐かしさのあまり、本来の素のキリトが顔を出していた。
「けど、ここの人たちはキリト君の名前を言えばみんな口を噤んでしまう。唯一手がかりになったのは、これーーーー」
「!」
 オプションメニューを開き、彼女は一枚の画像データを表示した。
 画像はどこにでもある雑誌の表紙を写したものだが、目にしたキリトは一瞬眉をひそめた。
 なにしろ表紙には、他の情報が霞んでしまうくらいキリトの女の子顔負けの姿が載っていたのだ。
「今GGOで人気のアイドル『キリト』に関して調べたら、あれほど苦労していた情報がすぐに手に入れることが出来たの。今のキリト君のことは洗いざらい調べたわ……裏で何をやっていることも全部……」
「アスナ……」
「ここ最近、お兄ちゃんの様子がおかしかったのはわかってた。けど、まさかこんな……こんなことに手を染めてたなんて……思わなかったよ……」
「スグ……」
 急に訪れる懐かしい感覚が、キリトの心を揺り動かす。
「帰ろ。キリト君ーーーーALOに」
「みんなのところに、戻ろうよ――――お兄ちゃん」
「二人とも……」
 手を伸ばす二人がとても魅力的に思えた。
 ふと目を動かすと、いつの間にか無意識のうちに二人の手を取ろうと手を伸ばし掛かっている自分に気が付いた。
 このまま手を取っても良いような気がする。
「っ!?」
 そんな考えが頭をよぎった時、彼の首が何かで締め付けられるように圧迫され、気持ちの悪さで吐き気を催しそうな嫌悪感が訪れた。
 同時に伸ばしかけていた手を止め、キリトは不快な感覚が感じられたきっかけの自信の首に手を触れる。
「っ……!」
 自らの意志で受け入れた牝の証が首に巻かれていた。
 男であることを辞め、男に奉仕をする牝奴隷に堕ちる道を選んだ自分を飼ってくれた主との絆。
 それを意識し始めると、次第に頭が冷静さを取り戻し始めていた。
 自分の選んだ道、自分のいるべき場所、自分が本当に望んでいること、頭の中で自動的に組み上がっていくパズルは自分の歩んできた軌跡を示し、その先、最後の一ピースをはめる直前に自分の選ぶべき選択を問いかけられた。
「…………」
 彼の選んだ選択、それが最後の一ピースとなり、これからの自分の姿を示すピースとなる。
「………………………ごめん」
「え……?」
「お兄……ちゃん?」
「悪いけど、俺……戻る気はない……」
「ど、どうしてっ!?」
「俺はもう、昔の俺とは……違うんだ。今はご主人さまにご奉仕する牝だし、ご主人さまには逆らえない……」
「……やっぱり、噂は本当だったの?」
 キリトが鬼城によって籠絡され、彼の悪事に加担して人を貶め、倫理に反した享楽に耽っているという噂を耳にした二人は、当初こそありえないと否定をした。
 しかし、今こうして本人の口からそれを裏付けるような言動が出た時点で、二人が目を背けていた噂は事実へと変貌し、虚実へ覆ることは叶わなかった。
「俺……いや、わたしは――――ご主人さまの所有物だから♪」
「「っ――――!!」」
 こみ上がる二人の怒りが奥で嗤う一人の男に向けられる。
「あなたが……お兄ちゃんをッ!!」
「キリト君を貶め、ほかの人たちまで貶めたあなたを、決して許さないッ!!」
「っくっくっく、ならどうする?」
 雑然としていたスラム街の通りは殺伐とした空気で凍り付いた。
 足早に巻き添えを避けて逃げる者、遠くから恐る恐る見物する者、周囲に隠れ潜んでいた鬼城の部下たちも二人のただならぬ気迫に恐怖心を抱いていた。
 しかし当の鬼城はいつもみたく小さく笑い、状況を楽しんでいる余裕すら見せていた。
「わたしたちが――――あなたを倒すッ!!」
「ほぅ……」
 二人は手にした光剣から光の刃を実体化させ、切っ先を鬼城へと構えた。
 対して鬼城は慌てる様子もなく戦闘の構えすらせずに悠然と二人を眺めている。
 すると攻める姿勢の二人を阻むようにキリトが鬼城の前に立った。
 そしてそっと利き腕を腰に備えた光剣の柄の前に据えた。
「アスナ、それにスグ……ご主人さまに刃を向けるってことは、わたしに刃を向けていることなんだよ……わかっているよね?」
「…………それでキリト君が元に戻れるなら、わたしはキリト君と戦う!」
「っ……お兄ちゃん……」
「リーファちゃん、キリト君を取り戻すには今は戦うしかないの! この戦いであの男を倒して、キリト君を取り戻してALOにいるみんなの元に帰るのよ! 今はそれだけを考えて!」
「……っ! はいっ!!」 

「鬼城様……」
 状況が戦闘へと移行する流れを察して密かに影で控えていた鬼城の部下が現れる。
「お前らは手出しするなよ? こんな場面、そうは拝めるもんじゃねぇ。頃合いを見てあの二人を捕縛する。そっちに備えておけ」
「……御意」
 鬼城の指示に従い、彼の部下はやがて煙のように奥へと消えていった。

「じゃあ始めるよ? 言っとくけど、殺す勢いで挑まないとわたしには勝てないよ♪」
「わたしたちだって、手加減はしないよ。キリト君……必ず助け出してみせるからっ!」
「お兄ちゃん……覚悟してッ!!」
 光剣を手にした三人はこうして衝突した。
 恋人、兄妹、仲間という絆で結ばれていたはずの彼と彼女たちは剣を交えた。
 本来望まない決闘ではあるが、彼女たちの剣には躊躇も戸惑いもない。
 全ては、闇に堕ちた彼を救い出すために――――

 ※


「このッ……離しなさいッ!」
 鬼城のアジトに連行されたアスナとリーファの二人は鬼城配下の手下たちによって取り押さえられていた。
 横暴な彼らによって二人は地べたに這いつくばるように押さえ込まれ、必死に顔を上げて二人は目前で自分たちを見下ろす彼らを睨みつける。
「あたしたちはっ……まだ戦えっ……!!」
「無駄だよ」
「「っ!」」
 取り押さえられても尚戦う意志を崩そうとしない二人の前に、キリトが現れた。
「どの道あのまま続けてても二人は奥に控えていたシノンの狙撃圏内にいたから、確実にどちらかは死んでたよ。現にほら、スグなんてちょっと掠っただけでほぼ瀕死の大ダメージ受けてるんだから」
「くっ! 卑怯者っ……!!」
「卑怯者とは心外ね――――」
「「!?」」
 突如キリトの背後から現れた少女、シノンは地べたに押さえ込まれた二人を見下ろして不敵に微笑んだ。
「元々ここ、GGOは銃が主流の世界よ。銃を使って何が悪いの? キリトやあんたら二人が光剣なんかを使っている方がこっちからすれば奇妙なものだわ」
「あなたが……シノン、さん?」
「そ。あんたの相方を殺さない程度に狙撃したのはこのあたしよ。まぁ、あの一発だけであれほど整った連携が一気に崩れるとは思わなかったけどね」
「くっ!」
 二人を煽るように嘲笑するシノンにリーファは苦虫を噛んだ。
 自分があの時あの狙撃を防いでいれば……と自責の念が彼女にのし掛かる。
 二人を相手にしてもキリトは対等以上に渡り合い、その強さは確実に以前とは比べものにならないものだった。
 そのため予断を許さず、動きの一つ一つが一つでも遅れたり誤ったりすれば致命打になりかねない。
 二人は彼に隙を作るまいと無数の剣戟を繰り出し、躱し、彼に集中していた。
 そんな時、乱入者は現れた。
 彼の背後から突如として迫り来た一発の凶弾。
 それが自分を狙ったものだと悟った頃にはもう既に手遅れで、弾丸は魔弾の如くリーファの真横に着弾し、その常軌を逸脱した衝撃波は彼女を一瞬で瀕死にしてしまうくらいの威力があった。
 突然のことですっかり集中を切らし、取り乱したアスナはキリトの繰り出した気を失わせるほど重撃を防ぐことは出来なかった。
 その結果、目が覚めた二人はこうして彼らの縛となってしまったのだ。
「キリト君……見損なったよ! あんなだまし討ちみたいな戦い方をするなんて……キリト君のポリシーに反しているんじゃないの!?」
 戦う時は己の力を最大限に発揮するために正々堂々。
 決して相手をけなしたり、貶めたりするような戦い方をしないと彼女は彼を信じていた。
 だが、次に彼が口を開く時、彼女の信じていたものは音もなく崩れ去った。
「クス♪ アスナはバカだなぁ♪ そんな世迷い言を信じているから負けたってことに気付かないの? 戦いで求められるのは、結果だよ。誇りだのポリシーだのは二の次だよ。だって、そうでないと何で戦うのか意味が分からないよ。勝ってその先にあるものを手にしたいからわざわざ剣を取って挑むんでしょ? だったら、面子なんか気にしている暇なんかないじゃん」
「き、キリト君……?」
「わたしはこうやって面子なんか捨てて確実に勝つ算段を立てて勝った。そして目的であるアスナとスグを捕まえることが出来た。けど、アスナとスグは目的と面子の順序を取り違えた結果、こうして負けた。本当にわたしを助けるんだったら手段を選ばずにやるべきだったね♪」
「な……」
「あなた……本当にあたしの、お兄ちゃんなの……?」
「変な質問しないでよ~。正真正銘、桐ヶ谷和人だよ。でもぉ……もうスグが知ってるお兄ちゃんではないけどね♪」
「クスクス♪ キリトの言ってることは正しいけど、それじゃせっかくキリトを助けに来た二人がかわいそうじゃない?」
 端で腕を組み、壁に背を預けているシノンは彼らのやり取りを眺めてせせら笑った。
「別に、助けてなんて頼んでないし~♪」
「なにそれ? ひっど~♪」
「っ……!!」
 嘲る二人のやり取りにアスナはそれまでため込んでいた怒りが再び再燃し、火口へとこみ上がる溶岩のように怒りは煮えくり返り、やがて嗤う二人を前に彼女の怒りは爆発、噴火した。
「ふざけないでッ! あなたを助けにここまで乗り込んできた仲間に見せる態度がそれなの!? わたしの知っているキリト君は、そんな薄情で人を貶める卑怯なクズ人間なんかじゃないッ!! まして、そんな風に人を見下して笑うようになったなら、キリト君はキリト君じゃないッ!! ただのクズ人間よッッ!!!!」
「…………」
「…………」
「アスナさん……」
 怒号を上げたアスナに一同は沈黙した。
 恋人相手に突き刺すくらい鋭い目でキリトを睨む。
 張り詰めた空気の中、緊張を破るように第一声を上げたのはキリトだった。
「アスナ――――」
 彼女の背筋に悪寒が走る。
 鬼城の手下たちに取り押さえられるアスナの前で、キリトは身を屈めて彼女を見下ろし、微笑みかけた。
「き、キリト君……」
 部屋の照明背にして見下ろす彼の笑顔は、影で黒く染まってあまりよく見えない。
 それ故に不気味に見え、彼がもう自分の知っているキリトではないということを思い知らされた。
「――――少し、頭冷やそっか♪」
「――――ッ」
 天使のように微笑みながら悪魔のように囁いたキリトに、アスナの瞳は次第に絶望の一色に染まっていった――――

 ※


「いやああああああああああああ!!」
 鬼城の軍団が拠点とするアジトの地下にある牢獄も兼ねた拷問部屋は、泣き叫ぶ少女の悲鳴をけたたましく響かせる。
「これで、お前は晴れて『女』になるわけだッ!」
「あぐッ……あ”、あ”………い”っ、い”だ……い”よっ……!!」
「そらッ!!」
「い”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”ッッッッ!!!!!!」
 鬼城にり望まない性行を強引に強行されるリーファは、痛みを制御する間もな激痛と悲鳴が上げる。
 辛さを訴えるように彼の欲望をねじ込まれた彼女の秘部から血がにじみ出ている。
「っくっくっく、まさかキリトにこんな上玉の妹がいたとはな……完全に牝に仕上げた時が楽しみだ……」
「はい♪ 世間知らずの妹なんで、いっぱい躾てあげてください♪」
「あ”、あ”あ”……お、兄……ちゃっ…………」
「スグ、これからスグはぁ、生まれ変わるんだよ? ご主人さまの牝に、ね♪」
「ぃやああ……」

「さぁて……あなたはどう料理してあげようかしら?」
「っ…………」
 クスクスと陰険な笑みをこぼすシノンを前に、両手を天井から伸びる鎖の手枷に繋がれて自由を奪われ、隣では仲間がレイプされて泣き叫ぶ悲鳴が響く中でも、アスナは動じまいと己を気丈に保っていた。
 この先が希望ではなく絶望に染まった暗い闇であると理解していても、彼女は諦めないと意志表示するような真っ直ぐな瞳でシノンを見つめた。
「チッ……何よその目? 気に入らないわね……どう足掻いたって助けはこないわよ? もうキリトはあんたの味方じゃない。おわかり?」
「あなたは……」
「あ?」
「あなたは――――好きな人はいるの?」
「……はぁ? なにそれ?」
「答えて!」
「!」
 先ほどまでキリトと接して目を絶望の色に染めていたのは嘘だったのかと思えてしまうくらい、アスナは光のある真っ直ぐな目でシノンに問いただした。
 彼女のあまりに真剣な眼差しに圧されてシノンはとうとう閉ざしていた口を開いた。
「…………いるわよ。私はご主人様が好き……弱い私を、ご主人様が救ってくれたから……ご主人様のためならなんでもする……確かに一時は彼の行動に疑問を覚えて離れてたけど、いまのあたしは違う。ご主人様のためなら、いくらでもこの手を汚してあげるわ……」
「そんなの……間違ってる! いくら人を好きになっても、他人を貶めてまでその人のために尽くすなんて……その人のためにも、自分のためにもならないわ!」
「ッ!!」
「っ!?」
 自分の言葉に怒りを露わにしたシノンに顔をぶたれると予感し、咄嗟に目を背けてしまったアスナだが、実際にはそんな打撃は飛んでこず、頬を掴まれ強引に顔を寄ってきた彼女の顔の前に向けられた。
 あと数センチ近づけば唇と唇が接触してしまうほどの距離。
 そこでアスナは、堕ちて黒く染まっていながらも自分と変わらないほどの真っ直ぐで真剣な彼女の眼差しを目にした。
「いい? 女ってのは、心のどこかで男に支配されることを望んでいるの。強い雄に組み伏せられて隷従することは女の悦びなのよ。それは趣味趣向や体質の問題じゃない。人、ひいては女として生まれた性よ。あんただって、本当はキリトのことがたまらないくらい好きなんでしょ? ならいずれ分かる時が来るわ……どんなに強くなっても、牝としての本能には逆らえないって……♪ 好きな人に夢中になった女の強さは、男の比じゃないわ。どんなことだってやってのける。それこそ、他者を蹴落としてでも……クスクス♪」
「…………」
 確かに彼女は歪んでしまっているが、その時見た彼女の目は、黒ずんでいても決して歪んではいなかった。
 そう認識できた時、アスナはシノンに一種の共感を覚え始めていた。
「……そこまでしてあの人ことを想ってるってことは、本当はあなたも人を大事にする優しい人なんでしょうね……もし違う出会い方をしていたら、お友達になれたかも……」
 暗い影を落とした言葉に対して予想もしていなかった希望的な言葉がアスナから帰ってきた時、シノンは一瞬だけ拍子抜けしてしまっていた。
「…………そうね。今の事情を除けばあなたみたいな人、嫌いじゃないわ。むしろ好きな部類にはいるわ。お互い違う形の出会い方をしていたら、友達になってたかもしれないわね……けど――――」
「っ!」
 突如アスナの横をピシャリ! と甲高い音が鳴った。
 下手をすれば耳の鼓膜が破れてしまいそうなくらい瞬間的に炸裂する破裂音は、前に立つシノンが腕を振る度に鳴り響き、それと同時にヒュン! と何かが空を切る。
 それがシノンの手に持つ鞭によるものであると気付くのに時間は掛からなかった。
「所詮もしもはもしも。今のあなたがあたしの友達になれるとも思えない! あんたは私のご主人様に刃を向けた……敵ッ!!」
「くっ!!」
 アスナの身体に叩きつけられるような激しい痛みが走る。
「ったく、ミイラ取りがミイラになるなんて、よく言ったもの、ねっ!!」
「――――ッ!!」
「アスナって言ったけあんた? 今更キリトの彼女気取って、ご主人様に刃向かってきたこと……後悔させてあげるッ!!」
「っくうぅッ!!」
 シノンは、まるで鬼女と言わんばかりの鬼の形相で容赦なくアスナの身体に鞭を打ち続ける。
 一方アスナは、打たれる鞭に声を上げず、必死に歯を食いしばって嵐が過ぎ去るのを待つように鞭の激痛に耐え続ける。
「ペインアブソーバーで痛みを抑え込んでるでしょうけど、それでもすごく痛いでしょう? だってこれ、アブソーバーで痛みを抑えてる奴を痛めつけるために特別に造られた拷問鞭だから、アブソーバーを起動してても激痛を与えるわよ? クスクス♪ あなたが命乞いするまで、どこまで持ちこたえるかなぁ~♪」
 シノンが再び鬼城の牝に戻って約二週間。
 わずか十四日で彼女の人格は別人になった。
 鬼城への絶対的忠誠、牝としての奉仕、鬼城へ敵対する者への憎悪。
 様々な思念が渦巻き、シノンの人格は黒く歪んだ。
 今では鬼城の悪事に望んで賛同し、人を貶めることになんら躊躇も戸惑いも覚えていない。
 それが、かつての仲間や、知人であっても――――
「シノン。あんまりやり過ぎて殺さないでよ? 殺しちゃうと街に転送されて、ここまでの努力が水の泡になるんだから」
「ひああああああああッ!! も”う”! も”う”無理ぃ”ぃ”ぃ”ぃ”ぃ”!!!!」
 鬼城に抱えられて犯されるリーファの背後から、彼女の尻穴に自身の欲望をねじ込み、乱暴に打ち付けながらキリトは言った。
「わかってるわよ! ……それより、こうして私に彼女が痛めつけられてるのは、彼氏としてはどうなのキリト?」
「えー? 別に何とも思わないよ~。だって、ご主人さまの敵はわたしの敵だし、当然と言えば当然の仕打ちだと思うよ」
 むぅっとふてくされるようにキリトは言った。
 リアルでの自分の彼女が目の前で痛めつけられているにも関わらず、何食わぬ顔で歪んでいるが愛嬌すら垣間見える彼にシノンははぁっとため息をついた。
「私が言うのもあれだけど……あんた、変わったね」
「今は彼女よりご主人さまが一番だからね♪」
「……って、『元』彼が言ってますよアスナさん? ……って、もう聞いてないか。リアルレイプ目になってるし」
「シノン、そんなもん置いてこっちに来て奉仕をしろ」
「っ! はいっ……! と言うわけで、私はご主人様のご奉仕に行ってくるから、あんたはせいぜい仲間が『元』彼にレイプされてるとこを最後まで見物しとくんだねって……ありゃ、気を失ってるよ。ま、いっか♪ あとで否応なく犯されるんだし♪」
「…………」
 遠のく意識の中、微かにシルエットととして認識できたキリトの姿を最後に、アスナの意識はシャットダウンした――――

 ※


「っ、ぅ…………?」
 どれくらいの時間が経ったのだろう。
 再び意識が戻り、覚醒へと至ったアスナは重々しくもまぶたを開いて眼前にある光景を目にする。
「ほぉらスグ。今度はわたしが膣に挿入れてあげるよ~♪」
「らっ、らめっ……お兄ひゃんとあらひは……きょうらぃっ、らからかぁッ……!!」
 欲望に身を堕とした恋人が、禁忌を破って自身の妹を貫こうとしていた。
 もはや何が倫理で常識なのか、それすらも認識し難いくらいにこの空間は狂っていた。
 唯一知っているのは、彼が見せているあの優しい笑顔。かつて暗く狭い空間にうずくまっていた自分を日が差した明るい世界へと救い上げてくれた優しい笑顔。
 あの笑顔一つで、わたしはどれだけ救われたか。彼がそばにいて、時々ああやって微笑んでくれたから、わたしはここまで頑張って来れた。
 けどおかしい……何かがおかしい……知っているはずの笑顔なのに、今の彼の笑顔はまるで別人の別の笑顔に見えてしまう。
「そんなこと関係ないよ~♪ ご主人さまと一緒にいれば、兄妹とか家族とか、そんな壁はみーんななくなっちゃうから♪ ほら!」
「ん”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”ッ!!!! おにぃひゃんがッ! はいっへっ……!! っく! ああああああああッ!!」
「っ……」
 わたしは何を浮かれていたのだろう。
 どんなに自分が傷ついても、最後はキリト君さえ無事ならばそれでいいとすら考えていた。
 キリト君が生きてくれてさえいれば、わたしは幸せだって……思い込んでいた。
 けどそれは間違いだった。
 最愛の人が誰かに奪われる――――そんな現実を目の当たりにして、同じことを思えるわけがない。
 リーファちゃんはキリト君を慕っていた……それも兄妹としてではなく異性として。
 本人は隠していたつもりでも、そんなもの同じ女として丸分かりだった。
 何より同じ人を好きなら気付かない方が無理ってものだ。
 けど彼女はキリト君と添い遂げることは諦めていた。
 それは、わたしが既にキリト君と関係を作ってしまったからだ。
 だから彼女はキリト君をわたしに譲っていた。
 自分の想いを内にしまい込んで――――

「んはあああああああッ!! おにぃひゃんッ!! しゅきぃ! しゅきぃぃぃぃぃぃ!!」
 箍を失ったリーファはまるで狂ったように腰をよがらせ、呂律が覚束ないまま禁句としていた兄を求める言葉を発している。
 たとえ正気を失っている言葉といえども、アスナの心には突き刺さるような痛みが走り、拘束された手で耳を塞ぐのは叶わず、胸を手で抑えるのが精一杯だった。
「あっはははははっ! 相変わらずスグは甘えん坊のお兄ちゃん子だなぁ♪」
 対してキリトは兄妹での禁断の行為をまるで意識している様子もなく、ただ己が欲しいまま、彼女が求めるままに快楽を貪り続けている。
 その光景は正に狂っていた。
「らぁってぇ! らぁってぇぇッ! スグはぁ、おにぃちゃんのことがぁ……////」
(やめてっ! リーファちゃん! その先をっ……それより先を言わないでッ!!) 
 今その言葉を聞いてしまうと、自分が自分でいられなくなる。
 枷で手を繋がれ、耳を塞ぐこともできないアスナは、必死に目を閉じてその先の言葉が出ないように祈った。
 自分の奥底で渦巻き始める黒い感情。
 それが表に出ることは、あの男に屈したことになる。
 そんなことは許されない。
 しかし、そんなはかない願いは聞き届けられることはなかった――――

「スグはぁ、おにぃちゃんのことがぁらぁいしゅきなのぉぉ!! あしゅなしゃんにぃまけないくらぁいらぁいしゅきなのおおぉぉぉぉ!!」」

「――――――――ッッ!!!!」
 声にならない悲鳴を、アスナは上げた。
 鬼城の支配するこの空間で、倫理や理性という名の箍が壊され、本能に忠実になったリーファは、それまで抑え込んでいた自分の中の想いがとめどなく溢れ返り、貪るように兄、キリトを求める。
 たとえ彼に恋人がいようと今の彼女にはどこ吹く風。
 ただ欲しいものを欲しいと、至極単純な本能に従って彼女は腰を振り続ける。
「じゃあ、これからはご主人さまの言うことはなんでも聞くんだよ? ご主人さまの言いつけは、わたしの言いつけだと思って」
 最早リーファは、アスナの知っているリーファではなくなっていた。
「はぁぁい♪ スグはぁ、ごしゅじんさまのゆーことはぁ、なぁんでもききましゅぅぅ♪ ////」
「あはは♪ よく言えました♪ じゃあ、さっそくご主人さまに挨拶しよっか♪ ご主人さまのおち○ぽにキスして、ご奉仕するんだよ?」
「うん♪ ……ご主人しゃまぁ…………ちゅっ//// んっ、れろぉ……んぅ、ちゅく……」
 つい先ほどまで敵対していた男の肉棒を、兄の声一つでリーファは嫌がることもなく率先して舌を伸ばして奉仕を始める。
「こえが……あらひをおんあにひへくへはおひ○ほひゃま……//// んふ♪ ちゅぷっ、れりゅれりゅう……」
「っくっくっく、これなら、昔のお前よりは手を焼かずに済みそうだなキリト?」
「あぅ……//// わたしのことはいいんですぅ! スグ……リーファを、ご主人さまの牝にしてもらえればいいんですぅ!」
「まぁ、お前の妹も牝の素質は十分だ。兄妹なだけあるな。っくっく……毎晩そのデカい乳で奉仕させるのも一興だ。たまには、こういうデカい乳も揉みたくなるからな?」
「う~////」
 あざけるように彼の慎ましい胸に目を向ける鬼城から隠すようにキリトは両手で胸を覆い、ムスッとした表情で鬼城を見つめた。
「っくっく、そう妬くな。お前の胸は特別だ。俺の手でここまで育て上げたのだからな」
「あっ……んぁっ……////」
 鬼城はにやけながらキリトの首元から防具の中へ手を滑り込ませ、中でインナーをめくって薄い膨らみの上にある突起を指で弄んだ。
 キリトも抵抗する様子はなく、クニクニと指で愛撫される度に気持ち良さそうに悦ぶ牝の声を漏らした。
「お兄ちゃん……かわいい……////」
 リーファがキリトと鬼城に寄り添うように身を寄せる。
「っくっくっく、これからは兄妹揃って俺の牝として仕えるんだな」
 勢いづいた鬼城は両手に花と言わんばかりに二人の胸を鷲掴みにした。
 手のひらで乳房を納め、指で乳首を愛撫する。
 主に与えられる快楽に二人は酔いしれながらも牝として隷従することを宣誓した。
「あんっ//// は、はいっ……//// キリトはぁ、これからもご主人さまの牝としてぇ頑張りますっ////」
「あはっ……んく、んっ……んはぁぁ//// り、リーファもぉ……お兄ひゃんと一緒にぃ、ご主人さまを気持ち良くできるようにぃがんばりますぅ……んぁぁ////」
 主の寵愛を受けて甘くとろけた顔を向け合って二人は微笑んだ。
 理性を捨て、本能と快楽に身を任せる道を選んだ二人には、主である鬼城以外は何も瞳の中に映ることはなかった。
「んふ……二人で頑張ろうね、スグ♪」
「うん♪ あたしぃ、ご主人さまとお兄ちゃんのためにがんばる♪」
 そうして二人は兄妹同士で舌と舌を絡め合い、唾液を絡ませて互いの唇を味わった後、今も猛々しく反り立つ主の肉棒の先端に、服従を示す口づけをした。
 それは桐ヶ谷兄妹が、一人の男の牝に身をやつした瞬間だった――――

 ※

「…………」
 リーファちゃんがキリト君に頭を撫でられている。
 違うよ。違うよキリト君……キリト君が撫でる頭はそっちじゃなくてここにいるよ? だってわたし……キリト君を助けるためにここまで来たんだよ? 偉いでしょ? 嬉しいでしょ? わたしだって頑張ったんだよ? 少しでもそう思ってくれるなら褒めてよ……よく頑張ったなって……助けに来てくれてありがとうって褒めてよっ……そうすればわたし、またいっぱい頑張ることができるから…………ねぇ、褒めてよ……頭撫でてよっ……!! キリト君の本当の彼女はここにいるよ!? 
 ボコボコと湧き出る黒い感情。
 黒くドロドロとしたソレは、白き剣士の心をジワジワと黒に染め、それまで抱こうともしなかった黒い感情が喉元まで出掛かっている。
 しかしソレを一度外へ出してしまうと、自分は汚れてしまう。
 決して表に出してはならない醜い自分の側面であり、これまで築き上げてきた仲間たちとの絆、そして……愛する彼への想いを黒い泥の沼へ沈めて歪めてしまう。
 それだけは絶対にあってはならない。

「っくっくっくっく、不憫だな」

「……鬼城」
 内に抑え込むモノと格闘している自分を、嘲笑うように現れた大男は枷に拘束され無力に膝を折るアスナを見下ろし、対してアスナは、挑むように彼を見上げるが、それもくすぶりかけており、威勢は最初の頃よりは非常に弱々しい。
 それでもなお、彼女は瞳に諦めの色だけ示さず、今もくすぶり続けて奥に秘めている光を武器に鬼城を睨みつける。
「今のお前の心境が手に取るようにわかるぞ……アスナ」
「っ……気安くわたしの名前を呼ばないでっ……わたしをいたぶりたければ、好きにすればいい……鞭でも剣でも銃でも……」
「そんなに卑屈がるなよ。言っただろ? お前の心境が手に取るようにわかると……キリトの妹にキリトを奪われて嫉妬してんだろ?」
「っ……誰が、そんな」
「目ぇ逸らしながら言ってんじゃねぇよわかりやすい奴め。大方お前の考えはこうだ。何故自分ではなく妹のリーファばかりに構うんだ? 本当はそこにいるのは自分のはずなのに……どうして? ……ってとこだろ?」
「っ……そんなことで、わたしをからかっているつもり?」
「図星だな。ったく、近頃のガキは素直じゃねぇからいけねぇ。そんなんだからチャンスをどんどん逃していくんだよ」
「!! 人を子供扱いしているあなたは大人だって言えるの!? こんな犯罪者まがいのことをしてッ!!」
「言えるとも! 大人はずる賢いからな! 人を騙し、蹴落とし蹴落とされる! それが昨今の社会ってやつの実状だ! 大人ってのは、それを如何に上手く潜り抜けて生き長らえているかが全てだ! それにこれは犯罪者まがいじゃねぇ……れっきとした『犯罪』だ!」
「なっ……」
 愕然とした。
 まるで悪びれたり誤魔化したりもせず、己の行っている狂事を隠すどころか、この男はさも当然のように言い放った。
「それをわかってて、尚こんなことをするの!?」
「してやるさ! それでお前等が手駒になるならな! この程度で済むなら安いご用だ! おまけに楽しみながら出来る! 一石二鳥でお釣りが出るぐらいだぞ!」
「あなたって……最ッ低の屑だわ……!!」
「っくっくっく、我々の業界では最高の褒め言葉だ……結城のお姫様」
「っ!? わたしを知っているの!?」
「当然。そもそも、お前ら二人が俺の前に来ることは兼ねてより予想していた。賞金稼ぎやレベル上げで随分と派手に動き回ってたようだからな……情報を集めるのもそう苦労はしなかった」
「…………!」
 男の側にキリトがいるということは、想像はしたくないが何らかの形で対峙するだろうとも予期していたアスナとリーファは、すぐには捜索をせずにまずはGGOで平均以上に戦えるほどの戦闘能力と活動のための資金力の確保を第一とした。
 短期間でこれらを習得するにはコツコツと地道に稼ぐやり方では効率が悪く、難易度の高いクエストや賞金首を狙った賞金稼ぎを積極的に参戦し、文字通り荒稼ぎで底上げする形となった。
 それ故に外部から自分たちの存在が噂となることも理解し、彼らにその存在を知られることも理解はしていたが、個人情報まで探られるほど相手の情報収集能力が高いとまではアスナも予想はしていなかった。
「俺はまどろっこしいことは嫌いでな……要求は一度しか言わない。結城明日奈、俺の牝として忠実な手駒になれ」
「そんな受け入れると思っているのっ!」
「っくっくっく、それでいい……ここでOKなんかされたら、楽しみが減っちまうから……なッ!!」
「きゃッ!?」
 始終ニヤニヤと陰険に笑っているのかと思ったのもつかの間、野獣のような牙をギラつかせると、その野太い腕で乱暴にアスナの腰を自分の前へと抱き寄せる。
 抵抗を試みるも、彼の怪力の前には如何にアスナでもか弱い少女でしかなかった。
「わ、わたしも辱める気!?」
「そうだとも! お前は結城のご令嬢だからなッ! いずれお前を俺の妻として迎え入れ、俺は結城を掌握するってハラよ!」
「なッ!?」
 突飛もない言葉が彼の口から飛び出てきた。
 だがそれを訂正する様子はなく、異質に満ちている彼の笑みがその自信の現れであるというのは見て取れた。
「馬鹿げてる……それがあなたの真の目的なの!?」
「まさか! キリトがよもや結城のお姫様と絡んでいるとは思わなかったからな! これはその『ついで』だよ! っくっくっくはっはっはっはっはっはっ!!」
「あなたってやっぱり、最ッッ低の屑だわッ!! いくらわたしを辱めようとしても、わたしは絶対にあなたの手には堕ちませんっ!! あなたの妻になんて、世界が終わるとしても絶対にあり得ませんッッ!!!!」
 再び瞳に光を宿らせたアスナは、鬼城に立ち向かうように毅然とした眼差しで彼を見上げ、睨みつけた。
 その姿は、正にかつて死のデスゲームで血路を開いてきた血盟騎士団の副団長としての威光が彷彿され、いかなることにも動揺を見せることがない鬼城ですら、これには一瞬だけ眉間にしわを寄せていた。
 だがそれも本当に一瞬で、次の瞬間には彼は口元をつり上げていつもの口癖で余裕を見せるように不気味に嗤っていた。
「っくっくっく……ビフォーはそんなところか? んじゃあアフターが楽しみだなぁアスナさんよぉ……? っくっく」
「っ……」
 アスナは苦戦を予感して唇をぎゅっと噛みしめた――――

 ※

「っくっくっく、お前も存外頑固者だな」
「そう思うなら、もう諦めたら? どう足掻いたって、わたしはあなたに絶対心を開かない。いくら身体を蹂躙したって、わたしの中にあなたの居場所はない」
「……っくっくっくっくっくっく」
「何が可笑しいのよっ?」
「開かない扉ってのはなぁ、無理に開ける必要はねぇよ…………扉ごとぶっ壊せばいいんだよッ!!」
「っ!? きゃっ! んっ! んんぅッ!!」
 強引に抱き寄せられ、唇を奪われる。
 舌をねじ込もうとする鬼城を通すまいとアスナは必死になって口を堅く閉ざす。
「んぐッ……んぅ!! んっ……んんーッ!! ぁッ!」
 頑なに口を閉ざしていたアスナだが、尚も強引に舌をねじ込ませる鬼城にわずかな隙間を突かれ、そこを起点に徐々に口をこじ開けられて行き、とうとう彼の舌を口内全域へと侵入を許してしまった。
「んはっ……じゅぷっ! ぐ……じゅるじゅる……じゅりゅ、にちゅっ……ちゅく……んぅぅッ!! ぐちゅぐちゅぅぅ!」
 アスナの抵抗も虚しく、ねじ込まれた舌は口内を蹂躙する。
 舌、歯の裏側、上顎、下顎、余すとこなく全体に舌が伸び、望まない男の唾液と彼女の唾液が混ざり合う。 
「んぐぅ! じゅぷぷっ……んっ! んんッ!! んッ!!!!」

 ッパァァァァァァァン…………!!

 突如、部屋中に甲高い乾いた音が鳴った。
 銃声にしては少々弱いが、それが何であれ、それがそれなりに衝撃を与えるほどの強みのある音であることはわかった。
 そして男の頬ににじみ出るよな痛みが走った。
「…………良い度胸をしているな。ますます気に入ったよ」
「そう。わたしとしては嫌って欲しかったのだけれど?」
 アスナの与えた平手打ちは鬼城の頬に直撃し、彼は頬を押さえながらも怒りに狂う様子はなく、くつくつといつもの口癖で不気味に嗤っている。
「ああ、ますます気に入っ……たッ!!」
「きゃっ!?」
 顔に余裕を見せながらも頭は怒りで満ち溢れ、勢いのまま腕ずくでアスナを乱暴につかみ上げだ鬼城は、彼女をを強引に何もないコンクリートの硬く冷たい地面へと押し倒した。
「しかし、今更だがお前もキリトと同じM9000番台のアバターとはな……っくっく、皮肉なもんだ。キリトが黒で、お前が白か……面白いもんだ。そのアバターを両方とも我が手に出来るのだから、尚更……な」
「…………っ!」
 床に倒したアスナに覆い被さるような姿勢で鬼城は彼女を床に押さえ込み、キリトと打って変わった豊満なその胸に手を伸ばす。
「お前のことはよく調べさせてもらったぞアスナぁ……お前も本当は俺の側に近い人間なのにな……っくっくっく」
「馬鹿なこと言わないで! どうしてわたしがあなたのような犯罪者なんかと!!」
 しかしアスナの心の中には、それが何なのかよくわからないが何か不穏な胸騒ぎがしていた。
「狂戦士――――攻略の鬼」
「っ!?」
「かつて、とあるゲームのとあるプレイヤーが、そんな呼ばれ方をしていた」
「………………」
「そいつは呼び名に似合わず可愛らしい外見をした年端もない少女でな……ゲームで死ねば本当に死ぬデスゲームに巻き込まれた自分と同じプレイヤーを率いてゲーム攻略を目指していた。しかも見た目と裏腹に馬鹿みてぇ強いときた。故に多くのプレイヤーが彼女に付き従い、憧憬した」
(え……?)
 彼の語る話にアスナは違和感を覚えた。
 彼が語る内容は部分部分が妙に鮮明で生々しく、とても他者から聞き伝えた話のようには聞こえないのだ。
「ある日、少女は自分が所属するギルド内で選定した選りすぐりの精鋭たちを率いて、難攻不落とうたわれたダンジョンの一角に挑むことになった。人数は少女を含めて二十四名。内少女を除いた五名がギルドで幹部クラスに位置していたプレイヤーだ。指揮能力も高く、戦闘能力も申し分なしの手練れ連中だ」
「待って! どうしてあなたがそれをッ――――!?」
 咄嗟にアスナが止めに入るが男の話は止まらない。
「そこのダンジョンのボスは出だしから平気で即死技を繰り出すような化け物でな……どんなにレベルや防御、HPが高くても関係がなかった。おまけに即死技は一定間隔ではなく、希に見せる前兆から1~3動作以内のどこかで出現する。更に言えば、そこのフィールドにも問題があった。攻撃が当たればどんどん崩れて足場を失い、油断すれば下へ真っ逆さまの非常に脆い場所だった――――死んだよ。多くの奴らがボスに蟻のように踏みつぶされ、蠅のように何もない闇の中に転落していった。戦闘開始から5分で、半数が世を去った」
「っ…………」
 語る話の中、どさくさ紛れに彼に胸を掴まれ、グニグニと彼の手に好きなように形を弄ばれてしまっているにも関わらず、アスナの手は抵抗に入ろうとせず、ただ呆然と話に耳を傾けて彼を見上げている。
「流石の少女も表情が険しくなった。あまりに損害が大きい。撤退するのが妥当ではないか? と……しかしそのボスとて無傷ではない。決死の覚悟で挑んだ戦士たちの活躍もあって、奴のHPは半分を下回り、もう一息だ。ここで逃げてはまたふりだしからあの化け物に挑まなければならなくなる……そうすればまた犠牲が増える。そこで彼女は考えた――――」
 服のボタン、ホックを外し、キリトとは対照的な白の衣をゆっくりと脱がしていくと、やはり白くきめの細かい女の肌が顔を覗かせる。
 はだけた服から胸を出し、それを直に触れて感触を愉しむ。
 男の手に包まれた彼女の乳房は徐々に汗ばみ始め、グニグニと愛撫していく内に白い地肌はうっすらと桜色に染まっていく。
「隊を半分に分け、二手から着実に攻撃を与えて奴を倒そうと。奴がどちらか片方に気が入っている間にもう片方が集中攻撃する。この動作を交互に繰り返す……至極単純だが奴を倒すにはこれしかないと全員一致で決行された。一つの隊はリーダーの少女と幹部四人で編成された五人。もう一つは幹部の男がリーダーと六人の精鋭で編成された七人。皆それぞれ死を覚悟していた。だがこれを制し、生き残った計十二名で無事帰還するというわずかながらだが希望も持っていた。それがこの戦いの支えになっていたと言っても良い」
「っ……」
 アスナの表情はより険しくなる。
 乳房を包んでいた手はやがて、房の頂上にある突起へと指を伸ばす。
「二隊の動きは別々だ。少女の隊は背後から、幹部の男の隊は正面からだ。危険ではあるが、男の隊は打撃に秀でた精鋭たちが付き従っていた。彼らの活躍でこの戦局は左右される……故に彼らはただ血路を開く――――その一心だった」
 乳房への愛撫で突起はしこりのある硬さを残しており、男の指はそのしこりのある弾力を愉しむために指で突起をコロコロと転がし、指で弾く。
「だが異変に気付いたのはその時だ。化け物が男の隊に目が向いている時、突如大きな揺れが生じたのだ。地震だ。それも徐々に大きくなっている。地鳴りは止む気配がなく、ただでさえ脆い足場がガラガラと崩れ始めている――――」
「やめてっ!!」
 彼女が叫ぶ。
 一度突起を愛撫する指が止まったが、すぐに何事もなかったかのように愛撫を再会し、話も語られ続けた。
「揺れは更に激しくなり、とうとう攻撃はおろか、立っていることすらままならなくなってきた。それはボスである化け物も同じようで、壁や地面に爪を立てて崖から落ちまいと必死だった――――」
「もうやめてッ!!!!」
「その時男は目にしたものに対して目を疑った――――背後から忍び寄り、ボスへ攻撃を与えるはずだった少女の隊が――――」

「やめてッッッッ!!!!!!!!」

 少女の目にうっすらと涙が宿る。
 だが男の口は止まらない。
「――――地面を、足場を――――根本から壊していたのだ――――幹部四人と共に、ボスと男の隊がいる足場を支える根本を全部――――」

「やめてえええええええええええええええええええええええええッッッッ!!!!!!!!」

 部屋の中を少女の悲痛な叫びが響き渡る。
 耳を塞ぎたくなるほど鼓膜に響く甲高い声が止む頃、男は時見計らって再び口を開いた。
「…………結果、足場はビスケットのように砕け散り、そこにいたボス、幹部の男の隊七名を奈落の底へと引きずり込んでいった……男たちは文字通り囮だったのだ――――足場を崩してボスを闇に葬り去るための、な」
「あ…………あっ………………ぁぁ」
「奈落に落ちる最中、男は見たそうだ。崖の上で不敵に笑みを浮かべる少女と、幹部たちの姿を……そして声は聞こえなかったが、微かに見えた唇の動きを読み取って彼女はこう言っていた――――攻略、完了……と」
「………………」
「男が見た彼女の姿はそれで最後だそうだ。だがこの話にはちょいとばかし続きがあってな……」
「…………ぇ?」
 空いたもう片方の手を彼女の乳房に伸ばし、彼女の双丘は男の手に包み隠された。
「男たちは生きていた――――だが全員ではない。七人の内四名は文字通り奈落に落ちていった。生存は確認できていない。だが男と、部下二人は生きていた」
「…………どういう……こと……?」
「どう説明したものか……隠し部屋と言うやつだな。または秘境ってか? 昔のゲームとかでよくあるだろ。崖から落ちれば本来は即死だが、落ちている最中、壁の方に足場があって、そこに隠しアイテムやショートカットで裏面に行くことが出来る秘密の扉があるってやつ。現に、そこには隠し財宝が隠されていた。三人はどうやらそういった部類の場所に落ちて、命からがら生き延びたらしい」
「そ、そう……」
 両手の平でグニュグニュと形を変える彼女の乳房と、その先端にある彼女の突起を指で弄ぶ。
 一向に抵抗する様子のない彼女だが、不感という訳ではないようで、時々小さく『んっ……』と可愛らしい声を漏らしていた。
「だが、男を含め三人は全員虫の息。回復アイテムは先の戦闘でとうに尽き、水も食料も少ない。おまけに戦いと崖から落ちた負傷で起きあがったり、歩くことも出来ない。暗い奈落に続く崖の上で、彼らは死すら選びたくなる生き地獄を味わうことになる」
「っ……」
「三人の中でかろうじて動くことが出来た『元』幹部の男は、自身と二人の所持品、そして周囲から採取できるアイテムなどを用いてなんとか生き延びる術を見据えることができた。だがそれも長続きはしない」
「………………」
「最初に死んだのはファッツと名乗っていた若ぇガキだ。マチェットを使うのが上手くてな、戦闘の時は即死技が飛び交う中率先して切り込んでた。死因は栄養失調による餓死だ。元々短期決戦を予定していたからな……やはりここに来て軽装備だったのが仇になったわけだ。家族に会いたい会いたいって言いながら煙のように消えて死んでったよ」
「…………っ!!」
 やがて桜色に染まる乳房とコリコリと凝りを残すピンク色の乳首を堪能すると、彼の手は彼女の下半身へと伸びていった。
 白く女の柔らかさと弾力のある太モモを撫でまわし、飽きればそのさらに根本の方へと手を伸ばす。
「二人目はクレストフォールと名乗る商社マンの男だ。やっこさん子供の誕生日にナーヴギアをプレゼントしようと思ってたらしくてな、買う前に
店頭のお試しで触った際にデスゲームに巻き込まれたそうだ」
 めくり上げたスカートの下はやはり純白で、清らかさすら彷彿する少女の品のあるシルク生地の白い下着が現れ、男の色黒な太い指がその逆三角の頂点に指を這わせる。
「奈落の崖で遭難して一週間。食料も水もとうに底を尽き、あとは死を待つだけだった。そんな時、突如クレストが男にこう言った『殺してくれ』と。子供とカミさんに再会するために、奴はゲームで生き延びる術を見出し、どんな苦難も家族と再会するためならと言って必死に乗り越えてきたそうだ。それがいつの間にやらゲーム攻略組の最大ギルドの先鋒の一人にまで上り詰めてた――――だがそれほどの男が、希望を見失い、『元』幹部の男にあまつさえ死を求めてきたのだ」
「っ!?」
「流石の男もそれだけは絶対にやめろと言った。家族に合わす顔がないと……だがクレストはそれでも食い下がる。この苦しみから解放されたいと。見れば奴の体力はもう限界を既に越えており、このままにしてもあと三日と持たない有様だった。いくら守るものがあるとはいえ、元を辿れば同じ生物『人間』だ。味わう痛みと苦しみはみんな共通だ。彼がそこまで生き延びてこられたのは、単に生きる意志が他より人一倍強かっただけだ
。限界の終着駅は必ず存在する……誰でも。違いは駅の距離が遠いか短いかだけで、奴はそこが『終着駅』だったわけだ……」
「まさか……あなたはっ――――!?」
「おっと、それより先は口にしない方が身のためだぞ? 今重要なのは、一つの物事のために手段を選ばず、不要な物を全て切り捨てる狂戦士の少女――――結城明日奈を、今、この場に、再び、目覚めさせることだ」
「なっ……」
 男の指が這う逆三角の頂点、彼女の秘所は、指が前後に擦れて女の柔らかさが男に伝わると同時に、その割れ目から徐々に湿り気を帯びていた。
「クレストが死んだ次の日、最後の一人となった男も目の前に自決の道がちらつき始めていた。救いの手が差し伸べられる兆しもない。全てを投げ捨てて、何もない奈落の底へと飛び込んでしまおうと――――思い込んだ矢先、彼は思わぬ形で救いの手が差し伸べられた――――」
「っ! ……っ、はぁ…………ぁ」
 滑らかなシルクの生地越しで擦れる男の指は滑りも良く、生地越しからでも彼女の熱を感じることが出来る。
 それは次第に高まっており、布だけでなく奥から湧き出る水気によって、男の指はより滑りが良くなる一方だ。
「男のいる崖に、人が降りてきたのだ。それも複数人。彼らは攻略後に解放されたフロアを、くまなく調べて隠し財宝やレアアイテムを見つける一種のトレジャーハンターの連中だった。男は彼らによって救われ、再び日の光を拝むことが出来た。あと一日、耐え抜く意志がクレストの奴にも残っていたら、奴も死ぬことはなかったろうにな」
「っ…………ぁ……っ……」
 クチュクチュと少しぬめり気のある水音が目立ち始める。
 男の話で始終上の空の顔をしていた彼女も徐々に頬を赤く染め始め、小さく開いた口からは熱を帯びた吐息とまだ見ぬ牝の素養を感じさせる『女』の甘い声を漏らしてきている。
「しかし男も安堵ばかりはしていられない。攻略組の生存者がいたとなれば大騒ぎになる。そうなれば男たちを攻略の生贄にした少女たちが黙ってはいない。彼女らに『消される』ことを恐れた男は、崖で手に入れた財宝をトレジャーハンターの彼らに渡すことで、自分が生存していたことと『自分がオレンジプレイヤーになっている』ことを口止めする形に成功し、ゲームが制覇され、ログアウトできるその時まで『圏外』でひっそり落ち延びていたそうだ――――めでたしめでたし」
「…………………………」
 話にずっと耳を傾けていたアスナを好都合と見なして、彼女の身体を好き勝手に弄んでいた鬼城だが、それでも飽きたらずになってきたのか、とうとう彼女の下着に手をかけ、スルスルと音もなく脱がし始め、下着から微かに糸引いた彼女の火照った秘所を一目してニヤリとほくそ笑んだ。
 幸いなことに、アスナは彼の話によって予想だにしなかった忌まわしい過去が暴かれ、現在の自分が置かれた状況に気を回す余裕がないと鬼城は見越していた。
 だが少しずつ彼女の瞳に光が宿り始めていることを、彼は気付いていなかった。
「っくっくっくっく、子供にはいささか刺激が強過ぎたかな?」
「………………わたしを、見くびらないでっ」
 ここに来て初めて彼女は自身の下半身に触れる男の手首を掴み上げ、自身の身体から手を引き剥がした。
「ほぅ……」
「わたし『たち』SAOサバイバーが多くの犠牲の上に立っているのは周知の事実っ……たとえ人殺しと後ろ指を指されようと、わたしたちは生きるのに精一杯だった……それは、咎めて咎められるものじゃないっ!」
「っくっくっく、犠牲を作った張本人がそれを言うか……実に良い。まだ『かつての』片鱗が残っているみたいだな……だが、今度はデスゲームの制覇でも、結城の家の存続のためではない――――――――俺に忠誠を誓い、俺のために全てを捧げる牝剣士になってもらうぞッッ!!!!」

 ズブッ! ジュブジュブッ……ヌプ、グヂュグヂュゥゥ!!

「っ!! ――――っくううううううううううううううッッ!!!!
 秘所への急な異物の侵入に、アスナは歯を食いしばった。
 熱く、長い何かが奥を突き上げてくるような衝撃が下半身に走る。
 アスナは侵入してきた瞬時にそれが何なのかを察していた。
 何故なら、同じような感覚を何度か経験しているからだ。
「流石にもう処女じゃねぇか……っくっく、キリトの奴め」
「っ……残念ねっ……わたしの、初めてを奪えなかったみたいでっ……」
 今も両手を天井から通ずる鎖の枷で拘束され、立ったまま片足を上げて彼の欲望を強制的に受け入れられてる彼女だが、既に愛する人に捧げた『初』を男に奪われずに済んだことを心の中でほっとなで下ろし、期待を裏切られる形となった鬼城を見て歓喜した。
 だがそれも一瞬のことだった。
「っくっく、そうでもない。そのかわり、お前の恋人は俺の手に堕ちた。奴を手にして、お前とこうして出会い、こうして我が物に堕とすための手数料と考えりゃ、案外安いもんだぜ? お前の処女は……っくっくっくっく」
「くっ!!」
「もう一つ物語の続きを教えてやろう……奈落に落ちて生き延びた男はな、自分たちを落とした少女を憎んではいないらしい」
「え?」
「むしろ男は少女を憧憬した――――目的達成のために手段を選ばず、他者を奈落へ突き落としてでも己の目的への到達の歩みを緩めることなく冷酷に、泥と血に塗られた道を躊躇なく歩く彼女の後ろ姿を――――男は今も追いかけているんだよ……!!」
「っ!? それって……!!」
「っくっくっく、物語はここで仕舞いだ……子供はもうおねんねする時間だ」
「っ……!!」
 彼女は戦慄した。
 なんということだ。自分がこの悪魔を生み出してしまったのだ。
 かつて、家のために自らを鬼に変え、ただ一つの目標の達成のために人を捨てていた頃、わたしはそれらに目もくれず、気付かぬ合間に多くの犠牲と共に悪魔を生み出していた。
(そうか……この男は、わたしの中に宿る鬼が、外に出てきたものなんだ)
 だとしたらこれは自分への断罪――――
 受け入れなければならない。
 自分の、罪を――――
「んっ……く…………っ、ぅぅん……」
「ほぉ? どういうつもりだ? 急に大人しくなるとは……嵐の前の静けさというやつかな?」
「っく……! 無駄口をっ……叩いてないで、さっさと……動けばいいでしょっ……!!」
 よろめきながらも弱々しく彼女は男を促すように腰を動かす。
 その光景を呆然と見下ろしていた鬼城だが、すぐに正気を取り戻して楔でも打ち込むように彼女の奥を叩きつける。
「ああっ! くああッ!! んはあああああああッ!!」
 知り得ることのなかった刺激が溢れ、アスナの頭と身体を狂わせる。
 それまでキリトですら達することがなかった彼女の奥を、鬼城は平然と掘り進んでいる。
 既に彼の先端は子宮にまで達しており、一度抜かれ、深く打ち込んでくる度に子宮はグニュリとその形を変えている。
「そろそろ、ちゃんと楽しませてもらうぞっ」
 同時に彼女を拘束していた枷が全て外れた。
 手足が自由に動き、このまま彼を蹴落として逃げることも不可能ではない。
 だがアスナはその考えには至れなかった。
 過去の自分、そしてなにより、彼の『男』が、彼女に自由を与えることを許さなかった。
「はぁっ! はぁっ! っく……あ、あっ……ぁぁ……んうぅぅぅ!」
 立っていられなくなったアスナは、そのまま鬼城に抱え上げられてより深く彼の『男』感じることになる。
 肌と肌が密着し、憎き相手でも血の通った人の心地良い温もりが伝わって来て、そこに少なからず安息を覚えてしまっていた自分を悔しく思った。
 せり上がる快楽はキリトの時とは比にならず、彼が如何に女に慣れているのかもさることながら、自制を心掛けていたはずの自分が、快楽に喘ぐ『牝』のように甘い声を上げていることに今更気付いた。
「あっ! はあああっ! んっ! はぁっ、はぁっ! んふっ……っく、んっ……くぅん……////」
 獣のように自分の身体を貪り、快楽を求める男の姿に、彼女は理由もわからない意味不明な魅力を覚えた。
 咄嗟にかき消そうと躍起になるが、消そうと意識すればするほど男の存在はこびり付いて白紙に還ろうとしない。
「っくっくっく、良い声で鳴く……そろそろイキそうなんだろ? 子宮が疼いてんのが中で伝わってくるぞ?」
「っ……! お……お願いっ……」
「外に出せなんて馬鹿なことは言うなよ? お前が俺の妻になるのは決定事項だ。これからはその証をどんどんその身体に刻み込んでやるっ」
「っ……」

 ごめんね……キリト君……

 きっと今の彼にそんなことを言っても無駄だろう。
 けれど言わずにはいられなかった。

 だって、わたしはまだ彼のことをっ――――――――

「ッらぁ!! 中出しだッ!! イキながら受精しろっ! アスナぁぁッッ!!!!」
「んああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああッッッッ!!!!!!!!」

 ズビュッ! ビュクビュクゥゥ! ドプッ……ドビュッ! ドクッ、ドクッ……

 ――――、――――だからっ――――

「っくっくっくっく、お前が牝になるのも、そう遠くはなさそうだな」
「あ…………は……っ、ぅ………は、は……ぁ……」
 太モモを伝わって白い鬼の精が流れ出ている。
 これが自分の生み出した罪。
 友人と愛する恋人を黒く染め、人の箍と倫理を破壊する魔人。
 歪む視界の中、かの男の陰険な嗤い声を前に、アスナの意識はゆっくりと奈落の闇へと堕ちていった――――

 ※


 アスナとリーファの二人を捕縛してはや数週間。
 二人には牝として徹底的な調教が行われ、彼女たちの気丈な心は砕かれ、鬼城に剣を向ける気迫すらとうに失われてしまっていた。
 そして今日もまた、終わりの見えない肉と快楽による享楽の宴が幕を開けようとしていた――――

「んぁん//// ご主人さまぁ……スグのおっぱい揉み過ぎですぅ////」
「っくっくっく、お前の乳は俺の牝の中で一番デカいからな。揉んでいても飽きが来ない」
「はい……ありが、んっ……とう、ござい……んぁん、ますっ……////」
「和人、奉仕する手が止まっているぞ。胸ばかり感じすぎて勤めを忘れたか?」
「ご主人さまぁ、リアルネームは二人きりの時だけって言ったじゃないですかぁ……」
「どうするかは俺の勝手だ。お前は奉仕に専念していればいい和人」
「もう、ご主人さまのいじわるっ…………あっ////」
 いじけるキリトを余所に鬼城はキリトの胸を口に含み、今も出続ける彼の母乳と共に吸い上げる。
「あっ、ああああ……//// ご主人さまがっ……わたしのおっぱい、チュウチュウって……んはああああああッ!」
「お兄ちゃん……すごくエッチで、キレイ……////」
「っ…………」
 彼女たちは皆、男を誘うような露出の高い薄衣の色めいたドレスを身にまとい、我先に主人からの寵愛を受けようと媚びを諂っている。
 一匹の雄へ複数の牝が求愛をしている図であると言っても過言ではない。
 彼女たちの頭には主からの寵愛と快楽しかなく、社会的倫理や理性、憎き敵への屈服を忘れ、ただ本能のまま獣のように快楽を貪る。
 ただ一人を除いて――――
「っあっはああああ……//// お腹がぁ……お腹があちゅいよぉ……////」
「あははぁぁぁ//// お腹の奥がぁ、ご主人さまのせーしが欲しいって泣いてるよぉ////」
 彼女たちの下腹部には鬼城率いる軍団の紋章と女性の子宮を象ったようなタトゥーが彫られている。
 鬼城配下の牝である証として首輪とは別に身体に刻まれたそれは、つい最近造られた技術で、首輪と同様に対象者が主に服従している限りこの世のものとは思えない快感を沸き上がらせ、逆に主に疑念、敵対するような行動をすると極度の嫌悪感に見舞われる特殊な淫紋である。
 効力は首輪と違い、直に刻み込まれているので首輪の倍以上に強く、また、一度刻むと二度と消すことが出来ない仕組みになっている。
 アバター以前に、利用しているプレイヤーである人間そのものの個人データに干渉しているため、他のゲームへアバターをコンバートしても消すことも出来ないので、ひとたびこの淫紋を刻むということは主である鬼城に永久に服従するという意思の表れになる。
 そしてそれは、彼女も例外ではなかった――――
「――――っくぅ……////」
 アスナは、唯一望まない形で彼女たちと同じ首輪と、永久の服従を意味する淫紋を下腹部に刻まれた。
 牝を受け入れて自らの意志で首輪と淫紋を身に付けたキリトやシノンと違い、まだアスナは完全に鬼城の牝になってはいない。
 鬼城は彼女の心をあますことなくなぶり尽くすという道を選択した。
 装着された首輪と下腹部に刻まれた淫紋により、恋人を奪った憎き男を否応なく愛しく思えしまう洗脳の刑である。
 理性が働いている内はこれを退いて抵抗することもできるが、精神への負担は大きく、着実に理性は消しゴムのようにすり減ってくる。
 更に彼が快楽を与えてくればその寿命は更に早まる。
「明日奈、こっちに来て俺に奉仕をしたらどうだ? もう身体が疼いて仕方ないんだろ? 我慢は身体に毒だぞ? っくっくっく」
「アスナぁ、こっちに来なよぉ。一緒にご主人さまにご奉仕しよ♪」
「アスナさぁん、ご主人さまとのエッチぃ……気持ち良いですよぉ♪ もう何もかも忘れてぇ……ご主人さまの牝になっちゃおうよぉ♪」
「ちゅぷ…………っぷぁぁ……ん、クス♪ もう今更どう取り繕ったって、あんたが牝に堕ちるのは目に見えてるわよ? 素直に受け入れた方が賢明よ。アスナ? クス♪ っ、ちゅぷ……ん」
「あー! シノンずるいー!」
「シノンさんっ! ご主人さまのおち○ぽ独り占めはダメですよぉ!」
「っ……」
 下腹部の淫紋が微かに発光する度に身体の感度が増し、火照り男に飢えを覚える身体は、主からの寵愛を要求する。
 真向かいにる一匹の雄と三匹の牝に身をやつした恋人や友人が、雄の男である部分を奪い合うようにして熱く反り立つソレにむしゃぶりつく。
 本意ではないのに胸の奥がキュンキュンと高鳴り、身体の奥の芯の方まで熱くなる。
 望んでもいない欲求が駆り出され、自分を支える理性と倫理を確実に蝕んで行く。

「ご主人さまぁ! あたしたちもぉ♪」
「いっぱい犯して欲しいですぅ♪」

「……!? リズ!? それにシリカちゃん!?」
 突如部屋に入ってきた二人に、アスナは目を丸くした。
「っくっくっく、ようやく来たか」
「はい♪ 遅くなってしまい、申し訳ございません……」
「その分いっぱいご奉仕しますね! ご主人様♪」
 見知っている二人は既に見知っている二人ではなくなっていた。
 やはり自分と同じ薄衣の身体が透けて見えるドレスをまとって恥部を晒しているのに、まるで恥じらいを覚えていない。
 そして見るだけで顔をしかめたくなるエンブレムが施された首輪と、下腹部で薄々と発光する淫紋。
 彼女ら二人も既に、あの男の牝に堕ちていた。
「まさか、リーファちゃん……リズやシリカちゃんまで巻き込んだの……?」
「らってぇ、ご主人さまの命令なんだもぉん♪ あっ♪ っはぁ♪ ご主人しゃまにはぁ、しゃからえましぇぇぇん♪」
 リーファちゃんは変わった……いや、変えられてしまった。
 休む間もなくあの男に犯され、身体を蹂躙され、彼女の精神はすり減っていった。
 それも唯一の心の支えであるはずの兄、キリト君の裏切りで彼女の心は暗い暗い闇の中に身を沈めていき、挙げ句、彼にまで犯されてしまい、歪み始めた彼女の意志はいつしか、苦痛でしかなかったあの男による陵辱を快感募る享楽へと変じ、兄の後を追うようにあの男に服従する牝へと変貌していった。
「んあああああッ! あしゅなぁ……あたしたちぃ、じぇんじぇんこーかいしてないよぉ?」
「ご主人しゃまのぉ牝奴隷になれてぇ、シリカたちは幸せでしゅよぉあしゅなしゃぁん////」
 リズとシリカがここに連れてこられたのは数日前だった。
 二人のことを知っているのはキリト君とリーファちゃんだけだからどちらかが手引きをしたに違いないとは考えていたけど、手引きをしたリーファちゃんは脅されて強引にというわけではなく、あの男の命令に喜んで従う形で二人を誘い込んでいたらしい。
 男の手下たちに連れられた二人は、夜通し彼らの慰み者にされ、泣き叫ぶ声が部屋の壁や扉を越えて響き渡っていたと言う。
 しかしそれから数時間経った頃、二人は人が変わったように甘い声を上げ、自分たちを拉致することを画策した主犯格の男に愛情の意を示してしまっていた。
 彼に心を許してしまった仲間たちは、貞操観念などないものと思えるくらいこぞって彼に股を開いている。
 リーファちゃん、リズ、シリカちゃん、そしてキリト君……もうその四人はわたしの知っている四人ではなくなっていた。
(みんな、この男に言いなりの虜になって……)
 四人の首と下腹部にはあの男への服従の証が刻まれている。
 それも自らの意志で望んで四人はその身に刻んだのだ。
(なんで? わたしが間違ってるってことなの?)
 思考が次第に錯乱してくる。
 理性に反して火照りきった身体は正反対のものを求める。
 それは時間が経てば経つほど欲求が増し、次第にアスナの精神を追い詰める。
「往生際が悪いぞ明日奈。お前はこれから俺の妻にもなる牝だというのに……これでは他の牝たちの手本にはなれないな」
「っ! ふざけないで! わたしは絶対にあんたの女なんかにはならないっ! わたしの大事な仲間たちを貶めたあなたを、絶対に許さないっ!!」
「っくっくっく、生き延びた男はきっとどこかでガッカリしてるだろうぜ? 目的のために平気で泥を被り、手を血で染めた少女が、偽善と慈愛のメッキで身を包んだ少女に成り下がっているなんて……ってな」
「っ……戯れ言を」

「アスナ――――」

「っ!?」
 自分の名を呼ぶ懐かしく、優しい声に、アスナは目を見開いた。
「キリト……くん……?」
 目の前に立つかつての恋人。
 けれど今は一匹のケダモノに仕える一匹の牝。
 欲望に忠実で、主との快楽が彼にとっての全て。
 自分のことなどとうに忘れてしまったと思い込んでいたが、彼の見せる微笑み、そして呼び止めた時の声、それはあの日あの時、彼と恋仲であった時のものと同じだった。
「もう、いいんだよ。頑張らなくて……アスナがいっぱい頑張ったことは、俺……知ってるから」
「っ……!!」
 その言葉をどれだけ待ち続けただろう。
 彼がALOからGGOにコンバートしたあの日から、恋い焦がれて待ち続けた愛しい彼の姿。
 その顔、その声が、見たくて、聞きたくて……ここに来たんだよ?

「だから―――――――― 一緒に堕ちよ♪」

「っ…………」
 ……もう、いいよね。
 今も精神を蝕む洗脳の断片。
 理性はすり減ってとうに限界に達しており、身体の熱は冷める気配もなく、疼き続けて気が狂いそうだ。
 彼とは別の男を愛する――――それだけが唯一の心残りだが、でも彼と同じ男を愛する――――それはそれで魅力的だ。
 形は違えど想いは同じ。そして彼もずっと側にいる。
 ならなにを躊躇する? 欲しいのであれば素直にそう言えばいい。
 ここでは誰もが素直で、欲しいものを素直に欲しいと言えて、それを誰も卑下したり咎めたりしない。
 理想的な環境じゃないか。
 それに薄々気付いていた――――

「――――――――はい」

 ――――今ではキリト君よりあの男への想いが、強くなっていることを。
 やがて彼女の瞳に潜めていた希望の光はひっそりと消えた。
 新たに瞳の奥に灯されたのはハートの形をした淫靡な光。
 押し止めていた本能が濁流になって押し寄せる。
 身体に刻まれた二つの証が偽りの愛を駆り立てる。
 それまで重荷に感じていたもの、嫌悪していたものがなにもかもキレイサッパリ取り払われ、清々しく思えるくらい彼女の身体は軽くなる。
 そして新たに灯された光の元、彼女の頭はある一つのことだけでいっぱいになった。
「明日奈――――こっちに来い」
「っ…………」
 主の招く手にアスナは俯いて困惑した。
 自分で良いのか、自分がここにいて良い資格はあるのか、せめぎ合う疑念と本能に挟まれる。
 しかしそれも一時だけ。隣に立つかつての恋人が優しく微笑みかけてくれた時、彼女の心は雲一つない青空のように清々しい気持ちに満たされた。
 これから尽くすべき主にして自分の夫となる存在。
 憎悪すら抱いていた相手に、彼女はかつての恋人にだけ向けていた笑顔を彼に見せかけて恋人のようにすり寄った。
「はい…………ご主人様♪」

 それが結城明日奈の、牝に堕ちた瞬間だった――――

 ※

「っくっくっく、一度堕ちればあっという間だな」
「あへへぇ♪ あすなはぁ、ご主人さまのぉ……お嫁さんですぅ……♪」
「はい♪ 元々アスナも、男の人に服従しいたいって願望が強いですからね♪」
「それは『元彼』としての見立てか?」
「いえ……同じ牝としての見立てです♪」
「っくっく、そうゆうことにしておくよ」
「あー! ご主人さまヒドイー! っ!? んぅぅ//// ご主人さまの指がぁぁ……お尻にぃ……んっ、ああっ///」
 ズボンの中からクチュクチュと水気を帯びた音が鳴る。
 男の手がパンツの中に滑り込み、中指が牝穴へとねじ込まれる。
 度重なる躾で彼の穴はすっかりほぐれて柔らかくなり、最早女性のソレと大差ない性器に成り変わっていた。
 今では『元』男としての性器より、牝穴での性器の方がより強い快楽を愉しむことができる。
 ゲームの中とはいえ、かつて結婚までした相手を目の前で自分以外の男に犯されていても、今の彼にはその男の方が大事だった。
「あーん、ご主人さまぁ……キリト君ばっかに構ってないでぇ、わたしのことももっと可愛がってくださいぃぃ////」
 ベッドの上で横になりながら両手を伸ばし、主を求める。
 淫靡に腰をよがらせて、豊満な胸を腕で寄せ上げて強調し、ペロリと唇を妖艶に舐めるその姿は、ここに来た頃のアスナとは別人だった――――

 結城明日奈は牝に堕ちた。
 鬼城に拉致されたキリトを救うべく彼の妹の直葉と共にGGOに乗り込んだが、結果、二人は既に牝に堕ちていたキリトとシノンに敗れ、直葉は牝の調教を受けてあっさりと鬼城の牝へと変貌した。
 兄を想うが故に抑え込んでいた想いを彼らに利用されたためである。
 その後彼の尖兵となった直葉ことリーファはALOで彼女らとキリトの帰りを待つリズベットとシリカをGGOに誘い込み、二人を牝に堕とす足掛かりとなった。
 そしてアスナは、忘れたい過去の自分を暴かれ、再び自分の罪と向き合うことになる。
 弱るアスナの心を鬼城はあざ笑うようになぶり続けた。
 追い詰められる彼女の精神は、いつしか快楽を心の拠り所に選んだ。
 快楽は裏切らない。全てを忘れさせてくれる。快楽さえあれば、何もいらない。
 次第に歪み始めた彼女の心はかつての恋人の想いを霞ませ、自分を妻にすると豪語する憎き男の前に膝を突くことになる。
 彼といれば自分は快楽に身を任せられる。彼といれば女として幸せになれる。
 そんな夢見心地な魅力が彼女の心を揺り動かした。
 そうやって、結城明日奈は牝に堕ちた――――

「っくっくっく、お前もキリトに負けじとヤキモチ妬きだなアスナ。つい数日前とはまるで別人だぞ?」
 キリトとの恋人関係は既に解消され、現在のアスナはキリトと同じく鬼城に従う一匹の牝である。
 ただ唯一、彼女は主である鬼城と婚姻を結ぶ許嫁であることが唯一他の牝たちとは異なっている。
 牝であること、鬼城の妻になることを受け入れたアスナはそれまで抱いていた価値観を全て捨て、ただ未来の夫に尽くすことだけを全てと考えるようになり、それ以外の不要な物にはなんら関心を抱かなくなった。
 その姿はまるで、かつて命を懸けたデスゲームでうたわれた異名、攻略の鬼、狂戦士を彷彿させるほどであった。
「もう、ご主人さま以外のことはどうでもいいんですッ!! ねぇ犯して? アスナのこと、いっぱい、ご主人さまのち○ぽで、結婚前のアスナを妊娠させてぇっ!」
「っくはっはっはっはっはっはっはっ!! とうとう俺のものに堕ちたなぁ! 副団長!! これからはお前の持つ何もかもを捧げてもらうぞッ! アスナぁッ!!」
「ふぁいッ! 結城の家もぉ! アスナの身体もぉ! 戸籍も権利もぜんぶぅ! ご主人さまに捧げますぅッ!!」
「ならば盛大にイけッ! 元恋人と一緒に、一匹の牝として思う存分イクがいいッ!!」
 牝の声が響く部屋の中、先端が彼女の子宮にまで達している腰と、キリトの尻に忍ばせた左手を鬼城は激しく突き動かす。
「あっ……//// っくあああッ! 指っ、二本入れちゃっ……んああああああああああっ!!」
「ふああああああああっ! んぅぅぅぅ! 子宮にっ、おち○ぽがキスしてるぅッ!! 欲しいッ! いっぱい欲しいよぉッ!!」
 二人の下腹部に刻まれた淫紋が妖しくピンク色の光を点滅させる。
 点滅のスピードが速ければ速いほど絶頂に近づいている証拠になる。
 また、点滅は主の精を身体が欲しているという意思の表れでもあり、焦らされれば焦らされるほど欲求が高ぶり、その後得られる快楽も大きくなる。
「もっ、もう限界れしゅうッ! イッひゃいまひゅッ!!」
「わっ、わたしもぉ! 指だけでッ……んはあああああああッ!!」
 打ち付けられる腰の動きが激しさを増すに連れて二人の淫紋の点滅が速くなり、押し寄せる快楽に身体が限界を訴える。
「盛大にッ! イけッッ!!!!」
 最後、腰と手が止めのごとく強い一撃を二人の奥深くに打ち付けると、二人は息もぴったり合わさって大きく痙攣し――――

「んはああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああッッッッ!!!!!!!!」
「っくああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああッッッッ!!!!!!!!」

 ドビュドビュッ!! ビュクッ! ビュウウウウッッ!! ビュクッ! ビュクッ! ビュクッ……ビュ…………

 ――――主の命令通り盛大に絶頂を迎えた。
「っ! はぁっ! はぁっ! はぁっ! っ…………ん」
「――っ、――っ、…………っ、はぁぁぁぁ……」
 三人は崩れ落ちるようにベッドに倒れ込み、今も残る快楽の余韻を愉しんだ。
「あ……は……♪ ご主人さまぁ……らぁいしゅきでしゅぅぅ……♪」
「わたしもぉ……ご主人さまのことぉ、大好きですぅ♪」
 主に寄り添う白と黒の最強の剣士は、彼の胸元すり寄って服従を示す口付けをした。
 その姿を見て、彼は初めて本当に満足げな笑みを二人に見せた――――

 彼は欲望を使い、二つの最強のカードとそれに次ぐ者たちを欲しいまま我が物とした。
 彼に従う牝となった者たちは、彼に絶対的な忠誠を誓い、彼のやること成すことあらゆることに加担し、悪事にも躊躇なく手を染めた。
 そうしてこのGGOには、より一層深い闇が広がる欲望の世界へと変貌していくのである。
 余談だが、この後鬼城が率いる軍団はGGO史上最強の巨大組織へとのし上がる。
 そして彼の傍らには、『親衛隊』と呼称される少女や女性で構成されたプレイヤーが存在する。
 一人一人が絶大な戦闘能力を誇り、事実上彼を傷つけることはGGOでは不可能となった。
 そしてその中には、かつて世を騒がせたデスゲームを生き残り、最強の剣を振るう少年とその仲間の少女たちも含まれていたという。
 そして毎晩、中央の総督府に向かい合うように建造された巨大な建物の最上階からは、享楽に耽る、男とその親衛隊との牝の宴の声が響き渡っているという――――


【END】


「おはようアスナ」
「あ、キリト君。おはよう」
「おはようございます。アスナさん!」
「リーファちゃんも、おはよう♪」

 【EPILOGUE】

――――何気ない通学路――――

「昨日は随分遅かったよね」
「再深部のボスが思いの外堅くて、結構難儀しましたよ」
「おかげでもう眠いよ……ふぁぁ」
「キリト君! だらしないよ! もっとシャキっとする!」
「えー。アスナは厳しいよ……」

「キリトさーん!」
「キリトー!」

「あ、シリカにリズ」 
「あ、じゃないわよ。朝からだらしない顔して!」
「みなさん、おはようございます♪」
「おはようシリカちゃん♪」
「……うう~////」
「? どうしたのリーファちゃん?」
「なんかあたしだけ違う制服で恥ずかしいです////」
「ああ~……学校が違いますからね」
「なに言ってるのよ。シノンだって違うじゃない」
「だってぇ……まだシノンさんとはまだ合流できてないし……」
「呼んだ?」
「うわあああ!? し、シノンさん!? いつの間に!?」
「リーファが違う制服で恥ずかしいって言ってるあたりかな?」
「うう……いるならいるって言ってくださいよ~」
「ごめんごめん。それより、違う制服なのは他にもいるでしょ?」
「え?」

 …………。

「?」
「?」
「?」
「?」
「?」
「なんでみんなで首傾げているのよ……そいつよそいつ」
「……へ?」
「キリトさんが、ですか?」
「どこが違うのよ?」
「はぁ……あんたたち、そもそもこいつの本当の性別を忘れてない?」

「「「「あ……」」」」

「そ、そういえばキリト君……わたしの予備の制服、着てるもんね」
「ウチの学校の、女子の制服……」
「でも全然違和感ないんですよね……今のキリトさん」
「ここ最近、髪伸ばしてメイクまでこなすから、キリトのことすっかり女の子だと思い込んでたわ……」
「えー。そのまま思い込んでても良いのにぃ♪」
「アホか! すっかり色気付いたナリをして! 昔のあんたはどこ行ったの!?」
「どこかなー? とっくの昔にいなくなっちゃったから♪」
「もうお兄ちゃんじゃなくて、お姉ちゃんだよ……」
「にしても、休日のこんな朝早くにみんな制服姿なんて奇妙なもんだよね」
「そう? 部活や練習試合でよく休日朝早くに制服で登校したりするからあたしは結構自然なんだけどなぁ」
「スグは部活熱心だからだよ。でも今日は部活でもなければ学校でもないんだから♪」

 ゴクリ――――

「「「「「「………………」」」」」」

「…………っ、はぁ……////」
「ちょ、ちょっと! なにエロい声漏らしてんのよキリト!」
「え!? あ……ご、ごめん……////」
「し、仕方ないよ……だって、久しぶりの『オフ』だし♪」
「そういえばアスナさん今朝から随分ご機嫌ですね。何か良いことでもあったんですか?」
「よくぞ聞いてくれましたリーファちゃん! 実はぁ…………じゃーん! これ♪」
「? ……え!? ちょっ……アスナさんっ! これって……!?」
「うん♪ 婚姻届だよ♪ わたしとぉ……ご主人さまの♪」
「結城明日奈……って、もう署名も印も押されているじゃない!」
「そう! あとはご主人さまの署名と印で、わたしは晴れてご主人さまのお嫁さん……ひいては奥さんになれまぁーす♪」

「「「「「ええーッ!?」」」」」

「アスナぁ、ズルイよ……」
「えへへ♪ だから悪いんだけど、随分前に話していたキリト君と結婚する話……あれはナシにしてね♪ あ! でもわたし、SAOでキリト君と結婚してるから、これってバツイチからの再婚ってことになるの!? いやぁーッ! この歳で既にバツイチとかっ!」
「アスナ……一人ではっちゃけ過ぎ」
「え!?」

 ………………。

「あ……あははは………すみません……////」
「なによ、ご主人様の牝になる前は『あなたの妻になんて、世界が終わるとしても絶対にあり得ませんッッ!!!!』なんて大口叩いてたクセに」
「そんな大昔のことは覚えてませーん♪ ていうかシノンちゃん、ヤキモチ妬いてる?」
「……人のことは言えた義理じゃないけど、あんた、牝になってから性格悪くなったわね」
「それはお互い様でしょ! ご主人さま公認彼女のシーノンちゃんっ♪」
「ひゃっ!? きっ、気安く胸を揉むなぁーっ!! ////」
「アスナさんはお嫁さん、シノンさんは彼女、キリトさんとリーファはご主人様の『特別』な家族……後から来たあたしとリズさんのポジションは……」
「まぁ、せいぜい穴奴隷か愛人ね……それか便女♪」
「あっ……あなっ……!? べっ……べべ、便女ッ!?」
「そうよ。あたしらは後から来た分際なんだから、そのあたりが妥当でしょ。ま、あたしは別に嫌いじゃないけどね? 便女♪」
「り、リズさんが逞し過ぎます……」
「だって、ご主人様ってあたしたち牝のことはちゃんと一人一人相手にしてくれるし、エッチだってすっごく気持ち良いし。ちゃんとあたしのこと見ていてくれるのなら、別に役職に関心はないかなーって」
「な、なるほど……」
「それより問題なのはあなたの方よシリカ!」
「え!? あたしですか!?」
「そ! なんなのよこの間は!? 街の人気のない路地裏でお尻突き出してご主人様にレイプまがいのことされてあんあん悦んで……たまたま通りかかって目撃したけど、流石にドン引いたわ!」
「あ、あれは……////」
「しかもあんたここ最近ことあるごとにレイププレイばっかして……ご主人様どころか、部隊内の変態どもまで誘って……極めつけはあんたが妹みたいな萌えそうな声で『ご主人さまぁ、レイプしてください♪』よ!! あんた一体どーゆう趣味してるのよ!?」
「だ、だってぇ……無理矢理犯されるのって、自分のことをすっごく求めてくれてるみたいで、すっごく気持ち良いんですよ!? それに、イケナイことしてるみたいで、ちょっと(?)興奮しますし……////」
「それはただのレイプ願望じゃー!」
「ひ、ヒドイ……!」

 ………………。

「ね、ねぇ……わたし、もう限界っ////」
「ちょっ!? ダメよキリト君! 我慢して!」
「そ、そうよ! 頑張ってお兄ちゃん! ご主人さまのとこまで、あとちょっとなんだからっ……ん////」
「らってぇ、今朝入れた時からぁ……スイッチが入りっぱなしでぇ////」
「キリト君それを言っちゃだめぇ……んっ! あっ! はっ、はぁ……//// あ……あっ…………
「ふぁぁぁ//// キリトさんを見ていたらぁ、あたしもキツくなってきてっ……! んくっ……ぁ……はぁぁぁ//// んっ……んふぅ////」
「こ、こらぁ……自重しなさいシリカぁ……あっ///// んはぁ……っくぅ! ん……////」
「だいたいっ……! なんなのよこれっ!」
「し、振動しながら……中から媚薬も出すローター……ってぇ、ご主人様が言ってましたぁ……あっ、ぁぁ……んぅぅぅぅ////」
「みんなこれっ、お尻か……おま○こに入れてっ……来いっていうのが、ご主人様のめいっ、れっ……んくぅぅッ////」 
「おっ……落としたりぃ、イッたりしたらぁ……今日一日おち○ぽ入れてくれないって言ってましたぁぁ////」
「そんなのっ……やらよぉぉ……!」
「きっ、キリトぉ! 駄々こねてないでしっかり歩きなさいっ……っ、はぁ……ぁあっ//// 私だって……キツいんっ……だからっ……!」
「らってぇ、お尻がぁ……キュンキュンって、してぇ……おち○ちん欲しい欲しいって、疼いちゃうんだもんっ……////」
「クスクス♪ 通りかかる人たちが、あたしたちに釘付けになってましたよぉ」
「わ、わたしたち……ほんとにご主人さま無しじゃいられない身体になっちゃてるわねっ……」
「みんな……スカートからお汁、垂れちゃってますね……////」
「早く欲しいよ……ご主人さまのおち○ちん……」
「もうすぐよ……ご主人様っ、の……んっ//// ところまでっ」
「えへへぇ……♪ 楽しみだなぁ……ご主人さま♪」

 牝たちの甘い声はしばらく止みそうにない――――

【EPILOGUE】

――――何気ない通学路――――

【END】


【EPILOGUE.2】

――――静寂の闇の中で――――

「――っ、はぁっ、はぁっ……ご主人ッ……さまっ……んぅ!!」
「っくっく、今日は随分積極的にっ……動くじゃないか。キリト……いや、和人……か」
「はぁ……はぁ……だって、久しぶりのっ……ご主人さまと二人きりのっ……リアルの生セックス、ですから…………んはぁッ! それにっ、今朝は……大変だったんですよっ!?」
「っくっくっく、随分楽しんでいたようにも見えたが?」
「っ……ご主人さまは、イジワルです!」
「っくっく、だが『あっち』と違って、ここではお前の尻はまだまだ狭くて堅いなっ」
「ご、ごめんなさいっ……もっと、ケツマ○コ緩めますっ!」
「そう急くな。これはこれで開発のし甲斐がある。それに、乳首の感度は『あっち』よりも良好のようだしな――――」
「んああああああああああッ//// おっぱぃ摘んじゃ……んぁぁ……////」
「流石に母乳は出ないが、少し胸が膨らんでないか?」
「ご主人さまが、いっぱい……揉んでくれたから……////」
「そんな揉んでやった覚えはないが?」
「あぅ……ごめんなさいっ……GGOにダイブしてる時とかに、その…………無意識に触っちゃってる時とかも……あったみたいでっ……」
「そんで弄り続けた結果がこれか。少し味見させてみろ――――」
「はい…………あっ//// っく……んふぅ! ご主人さまが俺のおっぱいっ、赤ちゃんみたいにっ……吸って……んああっ!」 
「なんだ? 久しぶりにわたしから俺に戻ったな。素の桐ケ谷和人が出ちまったか?」
「ごっ、ごめんなさいっ!! もう二度と俺なんて口調使いませんっ! だからっ、嫌いにならないでッ!!」
「構わん。俺口調の牝を愛でるのも嫌いじゃない。今日はそのまま素のお前を見せろ」
「え……?」
「聞こえんのか? 口調はそのままでいい。それよりもっと腰を動かせ」
「ッ……!! は、はいっ! ん……//// はっ、ぁぁ……あっ! っくぅぅ!!」
「けっ! 身体の方まですっかり女の匂いをぷんぷんまとわせやがってッ!」
「っあああ! 
「っ……そろそろ、出るぞ!」
「中にっ……俺の中にっ! 出して……ッ!!」

「ッッ――――――――!!!!」
「あっ……ああああああああああああああああああああああああああッッ!!!!!!!」

「……っ、……っ、………………っくっくっく、イクのは良いが、あまりデカイ声を出すと他の牝たちが目を覚ますぞ?」
「はぁ……はぁ……はぁ…………っ、いっぱい……出ちゃいました……♪ ご主人さまの精子が今もこうやってドクドクって入ってくるのを感じると、嬉しくて……////」
「っくっく、そうかよ。……そういえば、下腹部に刻んだ淫紋はここではねぇな。あっちで見慣れていたんでこっちでもあるものとつい錯覚しちまうな」
「そうですね……あれはご主人さまのモノである証なんで、ないとちょっと寂しいです……」
「っくっくっく、なんなら下腹部に『bitch』ってタトゥーでも彫り込むか?」
「ご主人さまがそうしろと言うなら、やります////」
「まさかな! お前の身体は今では女の身体のように綺麗に整っている。それを汚すのも一興ではあるが、今しばらくはこのままで十分だ」
「ご主人さま……////」
「しかし、これだけ激しくやっているのに、他の牝たちは気付きもしないのか」
「クスクス♪ みんなぐっすり眠っちゃって……ここでご主人さまと二人でシてることがバレたら、大騒ぎになりそうですね♪」
「知れたことを……どうせ狙ってヤッたんだろ? お前は男の身の割には嫉妬深いからな」
「むぅ……わたしはご主人さまの牝なんですよ? だから今は女の子なんです! それに、わたしをこんな風にしたのはご主人さまなんですからね!? ぷいっ!」
「……ったく、いつの間にか妙な愛嬌まで覚えやがって…………」
「知りません! っぁ!? んっ……んぅ! ちゅ、ちゅぷ……くちゅっ、んふ……ちゅっ……ちゅるちゅる////」
「――――――――っ、
「俺っ……ご主人さまの命令なら、今日着てた女子の制服で学校に登校しますし、言われればノーパンやお尻にローター挿入れて一日過ごしたっていいです! なんだったら、何も着なくてもっ……!」
「わかったわかった。お前が立派な牝に育ったことはその心意気でよく理解できた。そんな願望があるなら、追々叶えてやるよ」
「ご主人さま……♪ あ! でも今言ったのはご主人さまが好きそうだと思って言っただけで、そんな変態趣味、俺にはありませんからねっ!?」
「けっ! 白々しいことを……生意気な口を叩けないよう、もう一度尻を躾けてやった方が良さそうだな」
「は、はいっ! //// ご主人さまに生意気を言わないよう、キリトのケツマ○コ……いっぱい躾けてくださいっ!」
「お前は本当に健気な奴だな……昔泣き喚くお前をレイプしてこんなんにしたのは、俺なんだがな……?」
「だって俺、桐ヶ谷和人は……キリトは、ご主人さまの……牝ですからっ♪」

「っくっくっく、それでいい――――」


【EPILOGUE.2】

――――静寂の闇の中で――――

【END】


 彼、黒い剣士、キリト――――桐ヶ谷和人は、一人の男に犯され、牝に堕ちた――――隷堕の黒剣士である

【隷堕の黒剣士 END】



あとがき

えー、この度はグダグダこの上ない本作を手にとって頂いて、あまつさえ最後まで読んで頂けて誠にありがとうございます。

ようやっと完結したので、ちょっとした裏話でも残しとこうと思いまして、このようなスペースを設けさせていただきました。
まぁ大した話ではないんで本編読んだらそれでよし!な方は普通にスルーして頂いて問題無いです!
最後までお読みいただきありがとうございました!

とりあえず、本作は牛丼食ってる時に生まれたのはマジです。
仕事帰りに腹減っていつもの牛丼屋で特盛りに卵と紅しょうがドカ盛りして食ってた矢先に浮かびました。
たまたま有線で流れだしたIGNITEがきっかけとなりました。
あ、これSAOのOPかー。ちゃんと聴くとええ曲やんってな感じのことを考えていた矢先…
SAO…キリト、そういや今のGGOってキリト君女の子みたいやったなぁ…てか女の子やろあれは…
男の娘…男の娘? おお!男の娘か!! それええかも!!
って流れでちょっとえっちい短編を書こうと考えたのです。
当初は10キロバイト長くても20キロで済ませようと考えて書いていたのですが、
あんなシーン入れたいなぁ、こんなシーン入れたいなぁと妄想が膨らみ過ぎて予定の倍以上の長編化になってしまいました…。
ちなみに、ぶっちゃた話どちらかと言うと男性向けより女性向けを意識して書いてました。
所詮僕も野郎なんで野郎の発想しか出来ないもんなんで、なら真逆を意識して書いたらどうなるか?っていう好奇心で書いてました。
まぁ結果的に男性向けに流れたのは今の僕の発想の限界です…w

さてさて本作ですが、予想以上に長くなってしまいました。
正直ここまで書いたから何かに活かしたいとは考えています。
と言うのも、手直ししたい箇所や挿絵を入れたいなぁと書いてる内に考えてましたので、あわよくば薄い本に仕上げて出店してみようかなぁ?と結構真面目に考えてきています。
本当は絵も誰か協力者を探すか、絵師さんに依頼しようかとも考えたのですが、依頼するぐらいなら自分で描いた方が良くね?自分の鍛錬にも繋がるでしょ!
って考えのもと錆びついた腕で再びペンを持とうと意気込みかけているところです^^;
この作品にどこまで需要があるかはわかりませんが、まぁやりたいようにやってから後悔したいと思いますw
また、目処が出来るようなら改めて告知するつもりです!
果たしてどうなることやらw

とりあえず、しばらくはエロい文章書くのヤですw 疲れました^^;
また企画は浮かんできていますが、この執筆に時間を費やした分やることが溜まりに溜まってますので、
それらを片付けてからまた執筆していこうと思います!
その時はまた読んで頂けて、あわよくば感想などを頂けますとこれ以上に嬉しきことはございません!
お気に召していただけるよう精一杯頑張ります!

それではまたご縁があれば!

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